さて、酸性雨を語る上で欠かせないのが、PH(ピーエイチ)です。
PHとは水素イオン濃度といい、一般的にはPHが5.6以下を酸性雨という
値は0から14までで、7が中性でそれ以上はアルカリ性それ以下は、酸性です。
つまり、低いほど 酸性が強いということになります。
また、PHが1違うと酸性度が10倍異なってきます。
1985年での、日本のPHは、4.4から5.5 欧州4.3から5.1となっています。
一般に建造物や文化財は酸性雨の酸に侵されやすい金属やカルシウムでできています。
そのために酸性雨のせいで、大理石が石コウ化します。また酸によってコンクリートにふくまれるカルシウムを溶解します。
中国では、国最大の文化財楽山大仏が酸性の被害を受け、大仏の目のくぼみにそって黒い水筋ができています。
エジプト、4600年前に建造されたスフィンクスがこの30年でボロボロになった、鉄道のレールがさび付いて非常に危険と世界中から被害報告があるます。
日本でも、上野公園の西郷隆盛像の変色などが有名です。
死の湖は、酸性雨のせいで魚などの生物がすめない湖のことです。
ちなみに、湖自体は透き通りきれいな状態で、一見被害を受けてないように見てとれます。
このような湖が世界中にあります。
酸性雨のせいで水が酸性化に対して魚は影響を強く受けるので、種によってことなるがPH5以下では、生息できなくなります。
さらに、PHが5以下に低下するとこれまで問題にならなかった金属が徐々に溶けだしていきます。
溶出した金属は、プランクトン→小魚→大型魚と食物連鎖で生物濃縮され、生物の許容範囲をこえると死滅し、湖は最終的に死の湖になります。
金属が濃縮された魚を長い間人間が食べ続けることで人間にも蓄積され、人間にも影響がでます。
そのあとは溶け出した金属が凝集沈殿作用あるために水は、透明になるわけです。
のちに魚のいない死の湖は、酸性雨に含まれる窒素が蓄積して富栄養化によって赤潮が発生します。
いろいろな説があるますが、酸性雨によって、植物は枯れてしまいます。
そのメカニズムは二つあります。
1つ、酸性雨が植物の葉にあたると葉の中に含まれるマグネシウムが溶け出し、葉の光合成を阻止することで植物は、枯れてしまいます。
2つ目は、酸性雨が土の中に含まれる栄養を流し土壌を貧栄養状態にし、植物をからします。
酸性雨によりかれた木々の写真。撮影場所は不明。
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酸性雨は地表にある全てのものに対して影響を及ぼす。
酸性雨で生物がいなくなった湖のことを「死の湖」という。
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