海面上昇の原因については、様々な議論がなされています。
ここでは、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、政府間パネル)の第四次調査結果にもとずいて解説していきます。

1961-2003 1993-2003
熱膨張 0.042 0.16
山岳氷河雪冠 0.050 0.077
グリーンランド 0.050 0.21
南 極 0.14 0.21
海面上昇スピードにかかわっている原因をを要素別に分けた図。(mm/年)


このグラフを踏まえたうえで、発表された観測値、すなわち、「一年間に上昇する海面の高さ(mm/年)」は、
1961-1993が、「1.8mm」
1993-2007が、「3.1mm」
でした。

グラフの一番上、「熱膨張」の数値に注目してください。
1961-1993では、氷の融解よりも下だったのが、最近になって、はるかに上回る数値にまで上昇していることが分かります。
また、全体的に見ても、数が増えているのが分かりますね。

少しややこしいので、まとめます。
つまり、「昔は、海面上昇の原因が氷の融解」で合っていたのです。
歴史が進むにつれ、逆転し「最近の主要な原因は海水の熱膨張」となったわけです。


さらに最近ではこの調査とは違う意見が学者さんたちの間では、広く認識されています。
「海面の上昇スピードはもっと速い」というのです。
実は、この第四次調査では、海水の熱膨張について重きが置かれており、陸の氷については議論が十分でなかったようなのです。


写真は氷河の流れる様子。撮影場所は不明。
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なんにせよ、海面の上昇は確実に進行しており、過去50年間でおよそ、11cm
100年間では17cmも上昇しています。

海面上昇の主な原因は「氷の融解」と「海水の膨張」である。

世界規模であるがゆえに、解決が非常に困難。