指文字の成り立ち
指文字はあくまで音声語の文字記号で、直接ものの意味概念と結びついた手話とは違った音節記号です。
だから、指文字が使えるということは、日本語が音節で読めて、その内容が理解できることを前提としています。
「ヒロシマ」や「ナラ」と指文字が読めても、その意味や広島、奈良の地名が結びつかないと、使いこなせないわけです。
また、音節が長くなったり、書写を早めたり、長文をだらだら指文字で表現し続けると、読みが難しくなってしまいます。
したがって、指文字は、一般には直接に手話で表現しにくい地名や人名、音声語の助詞や助動詞を示すのに手話と組み合わせて、手話の補助として使います。
このことによって手話はその内容を一層明確にすることができるのです。
その指文字の成り立ちである、考案の経過を紹介します。
<あ行>
あ … アルファベットの「A」の手話から
い … アルファベットの「I」の手話から
う … アルファベットの「U」の手話から
え … アルファベットの「E」の手話から
お … アルファベットの「O」の手話から
<か行>
か … アルファベットの「K」の手話から
き … 「きつね」を表す手話
く … 数字の「9」を表す手話から
け … 「髪の毛」「敬礼」から
こ … カタカナの「コ」の文字や、「事」を表す手話から
<さ行>
さ … アルファベットの「S」の手話から
し … カタカナの「シ」から、数字の「7」を表す手話から
す … カタカナの「ス」から
せ … 「背」が高いことを表す手話から
そ … 「それ」と指さす動作から
<た行>
た … アルファベットの「T」の手話から
ち … 数字の「千」を表す手話から
つ … 不明
て … 「手」から
と … 「戸を閉める」から
<な行>
な … アルファベットの「N」の手話から
に … カタカナの「ニ」から
ぬ … 「ぬすむ」という手話から
ね … 木の「根」から
の … カタカナの「ノ」から
<は行>
は … アルファベットの「H」の手話から
ひ … 「1」という意味の「ひ」から
ふ … カタカナの「フ」から
へ … カタカナの「ヘ」から
ほ … 船の「帆」から
<ま行>
ま … アルファベットの「M」の手話から
み … カタカナの「ミ」から
む … 数字の「6」を表す手話から
め … 「目」の形を表すことから
も … 「〜も」という手話から
<や行>
や … アルファベットの「Y」の手話から
ゆ … 「湯」の温泉マークから
よ … 数字の「4」を表す手話から
<ら行>
ら … アルファベットの「R」の手話から
り … カタカナの「リ」から
る … カタカナの「ル」から
れ … カタカナの「レ」から
ろ … 不明
<わ行>
わ … アルファベットの「W」の手話から
を … 「お」を手前に引いて表す
ん … カタカナの「ン」から
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