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保健所に入って「譲渡適性検査」を受けます。
合否は攻撃性の有無、人に馴れていないなどの理由で決まり、不合格となった時点で生きる権利を失います。
こうして譲渡適性検査に合格できなかった犬や猫は、人からの虐待や人に慣れていないだけで、これから慣れる可能性の有無に関わらず殺処分されてしまうのです。
さらに、保健所の環境はとてもいいものではありません。もちろんのことながら冷暖房はなく、感染症などが広がりやすい環境で適切な治療をすることができず病死、餓死する犬や猫もいるのです。
新しい飼い主を見つけられなかった犬猫は、殺処分執行の日を迎えます。
殺処分には大きく分けて2つの方法があります。
1つ目は二酸化炭素による窒息死。
2つ目は薬物投与による安楽死です。
この方法が最もよく知られており、一番多い殺処分方法です。
まず、檻に入れられている犬猫をガス室へ連れていきます。
しかし、譲渡適性検査で落ちてしまっている犬猫もいるため、作業員の安全面からも麻袋のようなものを被せ、身動きの取れないようにしてガス室まで運ばれるのです。
ガス室へ運ばれた何匹もの犬猫が、小さなガス室に詰め込まれます。この状態で部屋に二酸化炭素を充填していきます。
二酸化炭素を入れられ始めてからの犬猫たちの変化を人間に置き換えて見てみましょう。(空気中の酸素は約21%で、二酸化炭素は0.03%です。)
酸酸濃度 | 症状 |
---|---|
酸素濃度18%未満 | 酸素欠乏症になる. |
酸素濃度16%未満 | 頭痛、吐き気、集中力の呼吸脈拍の増加低下など |
酸素濃度12%未満 | 筋力の低下、めまい、体温上昇など |
酸素濃度10%未満 | 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ※ |
酸素濃度 8%未満 | 昏睡 |
酸素濃度 6%未満 | 痙攣、呼吸停止 |
※チアノーゼとは、呼吸器障害などによって酸素が体に循環しない状態のことだけである。
どうでしょう?
果たしてこれが安楽死と呼べるでしょうか?
法律では、やむおえなく殺処分を執行する場合は、できるだけ苦しまないように処分しなければならないとされています。
これは他のどの動物にも人と同じ命があるという考えのもとから定められた法律でしょう。
しかし、動物たちはもがき苦しみながら死んでいくのです。法律に反しているのではないでしょうか?
現在薬物投与による殺処分が最善とされています。それは二酸化炭素による殺処分よりも苦痛が少なくより安楽死に近いとされているからです。
麻酔薬を皮下注射で投与します。時間の経過とともに犬、猫は体の自由を奪われ倒れ、目を開けたまま昏睡状態にはいります。その状態で筋弛緩剤※を打つことで命を絶つというものです。
しかし、酸素が体に行き渡らなくなる際に体が何度も痙攣するそうです。
つまり、安楽死に一番近いといわれていますが、注射をされる一瞬、体の力が抜けていく間、恐怖や痛みを感じないかと言われると断言できません。よって、この殺処分方法も安楽死ではないと考えられます。
筋弛緩剤とは…神経などに作用する薬物で、筋肉の働きを弱める作用があります。
私たちは現実から目をそらしています。殺処分される犬、猫たちを見たことがありますか?その悲しい鳴き声をきいたことがありますか?私たちは、現実に目を向けなければなりません。より多くの命を救うため皆さんの共感と協力を祈っています。