日本の格差
皆さんは日本に所得格差がある、またそれは広がっている、と感じたことはありますか?
実は、現在の日本はアメリカに次いで貧富の差が大きい国と言われています。
このことを皆さんは信じられるでしょうか。
信じられるという人もいると思いますが、あまり実感がわかないという人が多いのではないでしょうか。
それでは、貧困率で日本を見てみましょう。
「相対的貧困率」でみる日本
相対的貧困(平均所得の半分以下しか所得がない状態)の人は1994年では13.8%でしたが2000年になると15.3%、2012年には16.1%と増加傾向にあることがわかります。
日本の相対的貧困率の推移
厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」より
「ジニ係数」でみる日本
貧富の差が広がっていることはジニ係数からもよくわかります。
1979年に0.271だった日本の年間収入のジニ係数(2人以上の世帯)は、1999年には0.301、2014年には0.314とこちらも年々上昇していることがわかります。
総務省統計局「平成26年全国消費実態調査結果」より
これらのデータから日本の貧富の差は年大きく広がっていることがわかります。
つまり、日本は決して平等な国とはいえないのです。
日本で失われていく「機会の平等」
日本は、昔と比べ機会の平等がなくなっているという見方がされています。
これがより顕著に表れているのが教育と就職だと思います。
では、これらを例にして機会の平等が失われているという今について説明したいと思います。
教育
現在の日本ではよい教育を受けられる可能性は所得の高い親の子供の方が大きいといえます。
なぜなら、より高い教育を望む場合などには親の所得が大きく影響するからです。
世帯年収の高い家の子供であれば、塾に通うことも、参考書を欲しい時に買うこともでき、学力の上がる環境を容易に作ることができます。
つまり、教育を受ける機会が与えられているといえるでしょう。
しかし、所得が低い親の子供にはよい教育を受ける機会が与えられていないのです。
実際に、小学校6年生の算数B(応用力を問う問題)の正答率は、1500万円以上の世帯年収の子供の場合、約72%。それに対し、年収200万円未満の世帯の子供では約46%となっています。
また、中学3年生の数学B(こちらも応用力を問う問題)の正答率は、年収1500万円以上の世帯の子供の場合、約53%。それに対し、年収200万円未満の世帯の子供は約30%となっています。
就職
現在の日本での就職において学歴は重要なポイントとなっています。
しかし、教育が親の所得に左右される以上、就職にも親の所得が影響すると言わざるを得ないのです。
これらのことが教育と就職に機会の平等が失われているといわれる主な理由です。
親の所得が高い子供に比べ、親の所得が低い子供には様々な機会が与えられなくなってしまっているのです。
日本で格差が広がった原因
日本の格差を拡大させた原因は民間の自由競争を進めたことだといわれています。
自由競争は経済成長を促すことや、様々な料金の価格低下なども期待することができます。
つまり、私たちの生活を豊かにすることができるのです。
一方で、企業同士の生き残りをかけた競争が行われるわけなので、競争に負けた企業は生き残れません。
様々な分野で競争が広がることが日本の格差を拡大させた原因のひとつだと考えられています。
自由競争には大きなメリットも大きなデメリットもあります。そこが格差問題の難しいところと言えるのでしょう。
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