人の性格はどのように形成されるのか、それは大いに興味を持つところである。人の性格形成は心理学という分野上、遺伝による影響と環境による影響の二つに分類される。その環境による要因のうち、私は「家庭環境」が大きく関わっていると思う。社会は日々進歩しているが、家族や家庭はどこまでも豊かな心が存在する。「家庭環境」といっても様々であるが、私は主に「きょうだい」と「両親」の二つに注目し、家庭環境が性格形成に及ぼす影響にはどのようなものがあるのか、ということについて考えてみた。
|
長子の性格 |
次子の性格 |
|
特徴 |
・人の迷惑になることはしない ・欲しいものでも遠慮する ・自分の用事を人に押し付けたり頼 んだりする ・人の話を聞いていることのほうが 多い ・面倒なことはあまりしない ・よそへ行くとすましやさんになる ・ていねいに失敗しないように仕事 をする |
・人に褒められるとすぐ調子に乗る ・外へ出て遊んだりさわいだりするこ とが好き ・自分の考えを押し通そうとする ・困ることがあると人に頼ろうとする ・とてもやきもち焼き ・人の真似をするのが上手い ・はきはきして朗らか |
このように、同じ家庭で育っても出生順位によって親の対処のしかたが異なり、親子関係やきょうだい関係の質に差が出てくるので、その結果として性格が違ってくると考えられる。 |
1.自己中心的・協調性欠如・非社交的 2.依存症・自発性や積極性の欠如・競争心の欠如 3.神経過敏・耐久力欠如 4.幼児的・観念的 |
今まで述べてきたように、性格形成はきょうだいによって変わってくる。出生順位、きょうだい数、きょうだいの中における自分のポジション・・・と、様々である。しかし、きょうだいだけで性格が決まってしまうのかというとそうではない。これは複雑な性格形成の一部にすぎない。次の章では、きょうだいに代わって、両親の存在が子どもにどのような影響を与えるのかということを考えていきたいと思う。 |
生まれて間もない小猿を、針金でつくった代理母と母猿に似た肌触りの柔らかい布でつくった代理母で育てた。子猿は布製の代理母に強い愛着を示し、とくに驚いたり不安になったりすると、布製の代理母にしっかりと抱きついた。 一方、針金製の代理母で育てられた子猿は、成長してから協調性に欠け、激しい攻撃行動を示すようになった。しかし、布製の代理母で育てられた子猿も、針金製ほどではないが情緒的に未熟児だった。 |
![]() |
支配的かつ受容的・・・過保護型 支配的かつ拒否的・・・残酷型 服従的かつ受容的・・・甘やかし型 服従的かつ拒否的・・・無関心型 |
このように、子どもにとって両親は欠くことのできない存在であることがわかる。父親と母親の両方がいてはじめて、子どもの性格形成の基盤が作成されるのだ。また、その親の教育態度によっても子どもの性格は変化する。甘やかしすぎず、突き放しすぎずの態度を保つことが子どもにとっていちばんよいことなのではないだろうか。 |