INDEX>TOP>CATALOG>FERRARI

1. 需要よりも一台少なく                                                        >>FERRARIトップへ

<<戻る(FERRARI目次)

1998年、フェラーリは創立55周年の記念として、『エンツォ・フェラーリ』という車を販売することにした。
7500万円で販売を予定していたこの車は、事前の調査で売り出せば350台は確実に売り切る、という予想がでたんだ。
7500万円っていう高い値段を考えれば、だいたいそんなものね・・・。
その調査のあと、お客への説明会でフェラーリは、
『350台売り切るという予想が出たので、うちでは349台を販売します。』と宣言したんだ。
・・・は?え、一台足りないし・・・。
そう、一台足りない。けどこれは、フェラーリの創業者であるフェラーリさんが、
『必要な数よりも1台少なく作れ。』と、口癖のようにいっていて、それが社風になっているからなんだ。
はぁ?わけわかんないんだけど。足りなくなっちゃうじゃん。
フェラーリがこんな風なことをするのには、ちゃんとした理由があるんだ。
フェラーリはスポーツカーの有名ブランドだけど、世の中には他にもスポーツカー企業はいっぱいある。
もしかしたら、他の企業にお客をとられてしまうかもしれない。
だから1台少なく生産して、『手に入らないかもしれない』って思わせることで、
お客が他の企業に流れることを防ごうってわけね。
するどいね。その通り。そのおかげで予想よりも10倍も多い人数が、フェラーリに購入の希望に来たんだ。

>>進む(2. お客の資質)