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1. 真実の瞬間                                                               >>SASトップへ

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スカンジナビア航空(以下「SAS」)は、キャビンアテンダントやカウンターなんかの、
お客に直接対応する従業員のサービスが最も重要なことだと考えて、
これがSASそのものを象徴すると考えているんだ。
昔は、飛行機や施設やシステムがSASそのものだという考え方だったんだけど、
それを考えると革命的な変化だね。
たしかに飛行機に乗るときって、飛行機の性能とかよりも、対応の仕方とかのほうを見るよな。
そっちのほうがより身近に感じられるし。
そう。それによって、SASは接客に関してある独自の考え方を持っているんだ。
それが『真実の瞬間』だよ。
『真実の瞬間』?
従業員の一人が一人のお客に対応する時間は、一回平均15秒とされている。
SASではその15秒間のことを『真実の一瞬』と呼んでいるんだ。
この15秒間の対応がいいか悪いかで、その企業の印象が変わってしまう。
たしかに雑な対応されると、もうその企業に悪い印象しかもてなくなっちゃうもんな…。
そして当然のことながら、その15秒をお客と過ごすのは、企業の偉い人たちではなくて、
現場にいる従業員たち。だからSASでは、その最前線の従業員たちに、
お客一人一人の要望や問題について、対応する能力を身につけるように徹底しているんだ。
今までの企業の構造とは大きく違うわね。
現場の従業員はほとんど権限や能力を与えられないで、
偉い人たちばかりが権限をもっている、っていうが昔の企業だったものね。
いいところに目をつけたね。今までの、位が上の人が巨大な権限をもっているというピラミッド型の形から、
権限を分散した横割りの形へと、企業が変わっているんだね。
また、変わるのは現場の従業員だけじゃない。
そんな従業員の変化がスムーズに行くような環境を作らなければならないんだ。
そのために、企業の経営者は、『真のリーダー』になって企業の変化をうながす責任があるんだよ。

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