藤田スケールとは

 竜巻の規模を表す数値として国際的に広く用いられているものに藤田スケールというものがあります。藤田スケールとは、1971年にシカゴ大学の藤田哲也博士によって考案された竜巻などの被害によって、風速を大まかに計測する方法です。F0~6までの七段階あり、この値が大きいほど、被害が大きく、風速が大きいことを意味します。

 なお、F6の竜巻の発生率は全体から見ると、とても低いですが、もし発生すると、超壊滅的な被害が出るといわれています。日本ではこれまでF4以上の竜巻は発生していませんが、2012年5月6日につくば市北条地区で発生した竜巻はF3とされています。


F0~5と被害の対応

F0 17~32m/s
(約15秒間の平均)
テレビのアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない。
F1 33~49m/s
(約10秒間の平均)
屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。ビニールハウスの被害甚大。根の弱い木は倒れ、強い木は幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。
F2 50~69m/s
(約7秒間の平均)
住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。
F3 70~92m/s
(約5秒間の平均)
壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は転覆し、自動車はもち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、大半折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある。
F4 93~116m/s
(約4秒間の平均)
住家がバラバラになって辺りに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十メートルも空中飛行する。1トン以上ある物体が降ってきて、危険この上もない。
F5 117~142m/s
(約3秒間の平均)
住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮がはぎとられてしまったりする。自動車、列車などがもち上げられて飛行し、とんでもないところまで飛ばされる。数トンもある物体がどこからともなく降ってくる。
引用:気象庁 藤田(F)スケールとは
URL:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-5.html

コラム:改良藤田スケール

 藤田スケールでは等級ごとに風速が定義されていますが、厳密に風速を求めるような設計にはなっていなかったので、被害の程度と推定される風速が一致するとは限らないようです。とくに強い竜巻では、風速の推定値が実際の風速よりも高く評価されてしまうことが多かったそうです。この欠点をなくすために2000年から、2004年にかけて改良藤田スケールを作る動きが盛んになり、2006年に公開されました。

 改良藤田スケールは、詳細な竜巻の被害調査結果を反映し、竜巻が与える被害とそれにより推定される風速がより実際に近い物になっています。

参考:竜巻の規模を表す「藤田スケール」| BCM Navi 用語集
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