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人間と鉱石の歴史


鉱物・鉱石はいろんなところで役立っています。もともと鉱物・鉱石は、石という概念で人間の生活上無くてはならない道具や素材でした。石器・土器をはじめ、青銅・鉄などの金属製道具、金・銀・胴などの貨幣、岩絵の具、宝石など歴史的に長い付き合いがあります。そんな鉱石と人間の関係を見ていきます。

  • 画材として使われた鉱物

  • ラピスラズリ、辰砂、藍銅鉱等、古代より様々な鉱物が絵の具の顔料として使われてきました。

図1:ラピスラズリ 図2:藍銅鉱 図3:辰砂 図4:孔雀石
 

現在普通に市販されているチューブ入りの絵の具にも鉱物は顔料として使われています。
絵の具は色を持つ顔料の粒子と、その粒子をつなぎ合わせて画面に定着させる接着剤からできおり、この接着剤の役割を果たす物質をメディウムといいます。
今でこそ絵の具は工業製品として機械的に生産されていますが、かつては鉱石や岩石を粉末状に砕き、それを動物の脂などを使ったメディウムで練り上げ、手作業で絵の具を作っていました。

メディウムを用いずに絵を描く伝統的技法にフレスコがあります。湿った石灰漆喰の上から水で溶いた耐アルカリ性の天然土性顔料を塗ると、漆喰に含まれる石灰水が化学変化を起こして結晶化し、顔料が結晶の中に閉じ込められるのです。
ラスコーの壁画や、ミケランジェロの「最後の審判」などがフレスコ画としてよく知られています。

日本画に用いられる顔料の一種に岩絵の具があり、7世紀に高麗の僧によって日本に伝えられたといわれています。孔雀意思や藍銅鉱などの鉱物を粉末にし、膠*をメディウムとして使います。

緑青には孔雀石、朱色には辰砂、群青には藍銅鉱等の鉱物を粉末にしたものが使われ、粉の粒の大きさによって色の濃さにバリエーションを持たせることもできます。中世まで絵画の世界では、藍銅鉱を砕いて青色の岩絵の具として使っていました。しかし、藍銅鉱は、水分を含んで炭酸が抜けると、緑色の孔雀石に変わってしまう性質があります。そのため、当時描かれた絵の中には、空に緑が掛かって見えるものもあります。天然で藍銅鉱と孔雀石が混在して産出されるのも、藍銅鉱の一部が孔雀石に変わったためです。 高松塚古墳「奈良県飛鳥村」には、人物や神獣などの壁画が残っています。7世紀末〜8世紀初めのものとみられ、辰砂や孔雀意石、藍銅鉱などの顔料で色鮮やかに描かれています。近年の分析で、青色の顔料としてアフガニスタン産のラピス・ラズリ「ラズライト」が使われた可能性が指摘されましたが、はっきりとはわかっていません。

※膠(にかわ)とは。

不純物を含んだ精製度の低いゼラチン。動物の皮や骨の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したたんぱく質の一種。

 

 

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