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プラスチックを作る>プラスチックを作る



プラスチックの仲間=ゴム

「先生、ゴムってプラスチックの仲間なの?」

「そうだよ。ゴムは天然のプラスチックで、『ゴムの木』という木からとれるんだ。」

「『ゴムの木』って、聞いたことある!」

「ゴムの木の幹に傷をつけると、ラテックスといわれる白い液が出てくるんだ。」
「それがゴムなの?」

「うーん、それはゴムのポリマーが水に分散したものなんだ。ラテックスを集めて、そこからゴムのポリマーを取り出すんだよ。
こうして出来たゴムのポリマーは生ゴムと呼ばれるんだ。」

「生ゴムは、出来上がったゴムとは何か違うの?」

「生ゴムの状態では、多少の弾力性はあるけど、私たちの知っているゴムのような強さはないんだ。」
「じゃあ、このままじゃ形を作ったりできないの?」

「そう。実は私たちの知っているゴムは、生ゴムに硫黄を加え加熱して作ったものなんだよ。」

「硫黄を?」

「うん。そうすることでゴムは成形ができるほど強くなり、高い弾力性を示し、加熱しても融けずに焦げるようになるんだ。」
「そうなんだ!生ゴムを硫黄で処理するのは、ゴムをゴムとして使うのにとても大切なんだね。」


樹脂って何?

「先生、最初の方でプラスチックを『合成樹脂』とも呼ぶって言ってたけど、樹脂って何?」
「樹脂とは、液体か半固体の物質で型に流し込み、さらに何らかの方法で固めてしまうことで、型に応じた成型品を作ったり、中に大事なものを閉じ込めたりするもののことだよ。」

「うーん、僕にはなんかむずかしいよ。」

「そうか…。じゃあ、松の木は知ってるよね?」

「うん!松ぼっくりの木だよね。」
「松の幹に傷をつけると、鼻をつく臭いのする液体が出てくるんだけど、これを『松脂(まつやに)』というんだ。」

「そうなんだ。『松脂』と樹脂に、何か関係があるの?」

「実は『松脂』は放置しておくと固まって、黄色く透明なプラスチックになるんだ。」

「えー!木から出たものがそのままプラスチックに!?」

「すごい!そんな風にできるプラスチックもあるんだね。」
「そうなんだ。このように、木から出る油で、空気中で固まる性質を持つものを本来は樹脂と呼ぶんだ。
しかし現在では、液体状態のもので、何らかの刺激で固まるものを一般的に樹脂と呼んでいるんだよ。」

「そうなんだ?。」

「さらに、樹脂には2種類あって、熱を加えて変形させた後に冷やして固める『熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)』と、成型と同時に形状が固定される『硬化性樹脂(こうかせいじゅし)』があるんだ。」

「へぇー、そうなんだね。」





プラスチックの大部分はプラスチックではない?

「サエさん、チッくん、実はプラスチックの大部分はプラスチックではないんだ。」
「え!?先生、どういうこと?」

「プラスチック製品は、プラスチックだけで出来ているわけじゃないってこと?」

「そう。サエさんの言うとおり、プラスチック製品は、プラスチックに様々なものを添加して製造されるんだよ。」

「様々なものを添加って…例えばどんなものを?」

「主に、着色剤、光安定化剤(ひかりあんていかざい)、可塑剤(かそざい)の3つかな。」
「着色剤はなんとなく予想がつくけど…」

「まぁ、まずは着色剤のことから話すね。チッくん、プラスチックといえば何色だと思う?」

「えー、たくさんあるよ。ペットボトルのキャップだけでも、白、緑、青、水色、オレンジ…」

「そうだよね。プラスチックは一般的には無色で、結晶性の成分を含むものは白色なんだけど、身の回りのプラスチック製品にはたいてい、様々なきれいな色がついているよね。」

「うん、食品を包装する袋とかも数え切れないくらいの色が使われているね。」
「これは、プラスチックに染料や顔料などの着色剤が混ぜてあるからなんだ。」

「そうなんだ?!後から色をつけている訳じゃないんだね。」

「うん。プラスチックは油の仲間だから、油によく溶ける染料によって均一に着色することができるんだ。」

「プラスチック製品がカラフルなのはそのおかげなんだね。」

「そう。また、適切な顔料を用いることで、色をつけるだけでなく、光を反射する性質などの様々な光学的な性質を与えることもできるんだよ。」
「着色剤は、ただ色をつけるだけじゃないんだね!」

「次は、光安定化剤について説明しようか。」

「はーい!」

「プラスチックは、紫外線に当たると、分解し、強度が低下してしまうんだ。それに、黄色い色も付いてしまう。」

「プラスチックが黄色くなってるのは、前に見たことあるよ。」
「そうだよね。それを防ぐために、特に屋外で使うプラスチックには、紫外線に当たっても分解しないように、光安定化剤といわれる添加剤が使われているんだ。」

「光安定化剤で紫外線からプラスチックを守れるの?」

「うん、光安定化剤は紫外線をよく吸収して無害な熱に変える物質なんだ。」

「そっか。それでプラスチックは紫外線の影響を受けないでいられるんだね!」

「最後は可塑剤(かそざい)の話をするね。」
「カソザイ?」

「そう、可塑剤。『塑(そ)』というのは『形を変える』という意味で、硬いプラスチックを形を変えられるようなプラスチックに変身させる物質なんだ。」

「プラスチックは硬いものから軟らかいものまでいろいろなんだ。でも、硬いプラスチックに可塑剤(かそざい)といわれる添加剤を使うと、軟らかいプラスチックに変えることができるんだ。」

「すごい!例えばどんな風に?」

「例えば、ポリ塩化ビニルというプラスチックは非常に硬いプラスチックなんだけど、可塑剤を加えることでその硬さを自由に調節できるんだ。」
「へぇ〜、ポリ塩化ビニルからはどんなものが作られるの?」

「水道管に使われるプラスチックも、ソファーに使われるレザーも、このポリ塩化ビニルから作られているんだ!」

「すごいね、全然ちがう用途なのに全く同じプラスチックなんだ!」

「そうだよね。水道管は可塑剤をほとんど含まないポリ塩化ビニルで、レザーは可塑剤を多く含むポリ塩化ビニルなんだ。」

「可塑剤とか、添加剤の力って大きいんだね?!」


発泡体

「先生、プラスチックの中でも、発泡スチロールやウレタンマットみたいな変わったものもあるよね!あれってどんな風にできるの?」
「いいところに注目したね。発泡スチロールやウレタンマットのように、泡をたくさん含んだような構造のものを『発泡体』というんだ。」

「へぇ?、発泡スチロールって不思議だよね。小さくて丸い粒が集まってるっていうか…。」

「そうだよね。発泡スチロールはポリスチレンというポリマーでできているんだ。」

「ポリスチレン?」

「「そう。ポリスチレンは非常に油を吸いやすい性質をもっているんだ。発泡スチロールはこの性質を利用して作られるんだよ。」
「油を吸いやすい性質を利用する?もっと詳しく知りたい!」

「まず、ポリスチレンを成型する前の粒に、簡単に蒸発させる油をしみ込ませておくんだ。」

「うんうん。」

「これを使って成型すると、成型のときの熱でこの油が沸騰し、それによってできる泡が成型後も残って、発泡スチロールができるんだ。」

「なるほど!そんな風にポリスチレンの油を吸いやすい性質が利用されるんだね。」
「でも先生、泡って消えちゃったりしないの?」

「そう思うよね。水のようにさらさらの液体であれば、泡ができてもその泡はすぐに消えてしまうんだけど、ポリマーは分子が非常に大きいから、ネバネバした液体となるんだ。」

「そっか。だからいったん泡ができるとなかなかその泡が消えないんだね。」

「その通り。泡を作るときの油にどのようなものを使うかによって、様々な特性をもつ発泡スチロールが作られているんだよ。」

「すごいね、油を使って発泡スチロールを作っているなんて知らなかったよ!」
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