酸性雨


 スウェーデンでは1950年代に特別な施肥もしないのに一時的に作物の生育が良くなったり、1960年代には魚の消えた湖沼の出現が報告されています。その後、欧州各地で古い遺跡の建造物が急速に劣化していく被害が相次ぎました。これらの原因は、酸性雨であるといわれています。
 現在では、日本でも欧州レベルの酸性雨を記録するようになり、被害の拡大が懸念されています。発展途上国も例外ではありません。


酸性雨とは
 石油や石炭には硫黄が含まれており、燃やすことで硫黄酸化物(SOx)が発生します。また、自動車のエンジン内で、大気中の窒素が高温で燃えることにより窒素酸化物(NOx)が発生します。これらの物質が大気中を拡散していく過程で酸化され、それが雨水に取り込まれて、酸性を示す雨となります。この雨を「酸性雨」と呼んでいます。

詳しくは、”酸性雨発生のメカニズム”


酸性雨の影響
 酸性雨が降ると、まず植物に影響が及びます。葉の気孔を侵し、吸収を困難にして枯らしてしまいます。また、酸性雨が土壌にしみこむことによって、土が酸性化し、植物の根が痛めつけられ、土壌微生物が死に、植物が育たない不毛の地となってしまいます。
 また、酸性雨が川や湖に流れ込むと水が酸性化し、川や湖の水がpH6.3以下になると魚が住めなくなります。
 さらに、石造りやコンクリートの建造物にも影響が及びます。

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