将棋の起源 〜其の壱〜

将棋はいったい、どこで考え出されたのでしょうか?
 
■将棋の起源(1) 豆知識
将棋はインド生まれ!?

<世界の三大将棋>

インドで生まれて
  →中国に渡った「象棋」
  →日本に伝わった「将棋」

  →ペルシャを経て
    ヨーロッパに渡った「チェス」

世界の三大将棋 「チェス」「象棋」「将棋」

 将棋の起源は、インドといわれています。(一応、定説になっています。)西洋将棋といわれる「チェス」、中国将棋といわれる「象棋(しゃんち)」、それと、日本の「将棋」が有名で、世界の三大将棋とされています。
 この3つは互いに似ている点が多く、そのことからも「起源はひとつ」といわれる由縁がわかります。

  • チェス:立体駒(王、クイーン、指令官など)。8×8の盤。欧、中近東に普及。
    • シャトランジ(アラブ将棋)
    • マックルック(タイ将棋)
    •  シャンタル(モンゴル将棋)・チャトル(インドネシア将棋)     
  • 象棋:文字駒(丸くて、平たい)。9×10の盤。中国文化圏に多い。
    • チャンギ(朝鮮将棋)・チュンジー(琉球将棋)
    • カートン(ベトナム将棋) 
  • 日本将棋:文字駒(五角形、平たい)。9×9の盤。駒数の多い中将棋もある。
 日本の将棋の駒は何でできているの?

材質は、ツゲの木で作ったものが最高。他には、マキの木や、ツバキの木で作った駒もあります。駒の字には4種類あります。
書き駒:駒型の木にうるしで書いたもの。 

  1. 彫り駒:駒型の木に文字を彫ったもの。
  2. 彫り埋め駒:彫ったところにうるしを埋め込み平らな状態にしたもの。高級品。
  3. 盛り上げ駒:彫り埋め駒にさらにうるしで文字を書き、文字を浮き上がらせたもの。超高級品! 
将棋の盤は何でできてるの?
  カヤの木が最高で、プロの名人戦では、カヤの七寸盤(厚さ20センチ)が使われます。一般に普及しているものは、カツラ、ヒノキ、イチョウなどの木でつくられたものです。また、板盤のほかに、ビニールや、プラスチック製のものもあります。普通の将棋盤はタテ約36センチ、ヨコ約33cmです。厚さはいろいろで、足つきのばんもあります。プロ棋士が夜中に将棋の勉強をするときは音のしない布盤を使うこともあるそうです。
■将棋の起源(2)
「チェス」と「日本将棋」の大きな違い

チェスも日本将棋も発生はいずれもインドですが、伝わった過程で大きく変化しました。もっとも大きな違いは、チェスは取った駒を使うことはできませんが、日本将棋は取った駒を味方の駒として再び使うことができます。これは日本将棋独特のルールで将棋の面白さを高めています。

中国の自負―「象棋」は中国人が創造したもの?

 中国には、古代に優れた文化を築き上げたという自負があります。したがって、中国では「象棋は中国人が創造したものだ」とする考えが一般的なようです。その証拠として、中国にはいくつかの説が伝わっています。たとえば、黄帝(伝説上の皇帝らしい)が創ったという説、神話に登場する神農氏が創ったとする説、戦国時代の兵法家が創ったという説など、いろいろあるようです。

 現在、もっとも有力な説は、周の武帝が創ったという説です。この他にも、象棋が古代から存在したという証拠が「象棋史話」「中国象棋史」に登場しています。しかし、中国の象棋史でもっとも不可思議なことは、唐の時代に「八八象棋」、つまり8×8の合計64升目の盤を用いる象棋が存在していたということです。
 この8×8の盤を使うゲームは古代インドにアシュタパタとチャトラガとして存在していました。つまり、中国には定着しなかったけれども、インドから伝えられた可能性が高いというわけです。また、モンゴルや、タイ、ビルマ、マレー半島で八八象棋が興じられていることから、唐の時代に近隣諸国に伝来したとも推察されます。すなわち、この八八象棋こそ、中国象棋の最初の段階であり、その後、中国でインドのものとは異なる形で、独特の象棋に発展していったと考えるのが妥当でしょう。

駒は、戦国時代の「軍隊」がモデル!!

駒は、戦国時代の軍隊をモデルに作っています。

大将 ― 玉 大砲 ― 角行
副官 ― 金・銀 鉄砲 ― 香車
歩兵・戦車 ― 飛車 軍馬 ― 桂馬
これらの駒が戦って敵陣をくずし、大将をつかまえるまでのゲームです。
 

 
 

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