国際比較

  1. 原子力発電の分布
  2. 世界の原子力発電の政策の意向
  3. プルサーマルの使用状況と実績

世界の原子力発電の政策の意向

  1. 世界の現状
  2. アメリカ
  3. フランス
  4. イギリス
  5. スウェーデン
  6. ロシア
  7. ウクライナ
  8. 中国
  9. 韓国
  10. 台湾
  11. アジア諸国
  12. 日本
  13. ドイツ
  14. ベルギー

原子力の現状
 1997年現在原子力発電は429基稼働中で設備容量は3億6470万kWで世界の発電電力量の17%をまかなっています。32の国と地域で原子力発電が行われており、94基が建設中、計画中です。現時点での設備容量はアメリカ、フランス、日本、ドイツ、ロシア、イギリスが多く、建設中、計画中の原子炉の基数はインド、中国、ロシア、韓国、日本、イラン、ウクライナが多くなっています。原子力発電発電電力量の伸び率は鈍化していますが、発電量は増加し続けています。自国のエネルギー政策(経済性と自給率など)により推進と廃炉の両方の動きがおこっています。

国名 政策の意向



103基、1億117万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の約20%をしめています。1979年のスリーマイル・アイランド2号機事故により規制が強化され建設期間が長くなったりコストが上昇したため、1974年以降新規の原子力発電所は建設されていません。将来の選択肢として原子力発電を残しますが当面は原子力への依存をこれ以上増やさない方針です。1994年には核不拡散の考えから核燃料リサイクル(商業用のプルトニウム利用)に関する研究を中止しています。電力市場の自由化で非効率的な原子炉は早期閉鎖されていますが効率的で安全性の高い原子炉の開発は進んでいます。アメリカは原子力発電の規模は世界一ですがカナダから大量に電力を輸入しています。
原発推進に転換(2001年5月発表)79年スリーマイル島事故以来、新規の建設はなかった。40年の運転認可の期限を迎える発電所にさらに20年の延長を認める手続きを迅速化、使用済み燃料の最終処分場建設、敷地内増設などの考えを表明している。(朝日新聞2001年5月17日、18日)



57基、6292万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の76%をしめています。天然資源が乏しいためエネルギー自給率向上のために原子力利用を積極的に推進しており、電力をスイス、イギリス、ドイツ、イタリアなどに輸出しています。1998年2月に政府は経済的な理由から高速増殖炉の実証炉スーパーフェニックスの即時閉鎖を決定しました。その一方でドイツとともにEPRという新型炉を共同開発して原子力発電は推進しておく方針です。



33基、1353.1万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の約22%をしめています。1956年世界初の商業規模の運転が行われました。原子力発電をエネルギーの多様化政策に位置づけ利用しています。1994年には高速増殖炉を閉鎖しました。1995年から新設されておらず、新規建設計画の見通しもない。





11基、982.2万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の36.9%をしめています。1980年に原子力発電の段階的廃止を決定しましたが、1980年に国民投票の結果12基の原子炉を2010年までにすべて廃炉にするとの決定がなされています。1991年にエネルギー確保のため廃止計画を延期しました。1995年にはエネルギー委員会が閉鎖時期を決定すべきではないと報告しました。1997年には国会でまず2基を廃炉にする法案が可決されましたが、電力会社は裁判所に提訴し、1基は当初予定より送れて1999年11月に閉鎖、残る1基は代替できる見込みがなく閉鎖時期のめどがたっていません。


29基、2155.6万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の約15%をしめています。また、このうち1基は高速増殖炉です。チェルノブイル型の古い原子炉を閉鎖し新しい発電所の建設を進めており、2000年までに3基を完工2005年までに新世代炉3基を着工することになっています。




13基、1181.8万KWの原発が稼働しており、総発電電力量の約47%を原子力発電で占めています。チェルノブイル発電所は2000年までに全基閉鎖されることになり1996年11月には1号機が閉鎖されました。事故のあった4号機は資金援助を受けて安定化が進められています。

3基、226.8万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の1%をしめています。2020年までに3000から4000万kWの原子力発電の設備容量の整備を計画しています。ヨーロッパとの協力で開発を進めてきましたがアメリカも原子力開発に加わりました。

16基、1371.6万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の約41%をしめています。エネルギー開発を原子力主導で進めようとしています。韓国標準型原子炉の開発も進んでいます。

6基、514.1万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の約24%をしめています。稼働中の6基の後続として竜門にABWR2基を建設することになっており、2004年と2005年に完成予定です。




インドネシア、タイなどで原子力発電所の建設計画が具体化しています。

52基、4508.2万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の34.5%(1999年)をしめています。2010年度の割合を45.4%とする計画です。核燃料リサイクルを中心として原子力開発を推進しています。


19基、2236.5万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の31%をしめています。2020年代初めまでに、原発を全廃することを政府と業界合意。(2000/6)



7基、599.5万kWの原発が稼働しており、総発電電力量の57%をしめています。1999年原発の寿命を40年間とし、段階的廃止を決めた。(2000/12)省エネや他国からの電力輸入、天然ガス火力・風力など再生可能な新エネルギーで代替していく方針で、2025年までに、原発全廃の予定である。(2002/3/2朝日新聞)

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