KANGAROO

Macropus giganteus 有袋目 カンガルー科

★カンガルーとの出会い★

アボリジニがオーストラリア大陸に移り住んだときには、すでにカンガルーが住んでいました。この、2本足で立って猛スピードで走る動物たちは、アボリジニたちの神話の中で重要な地位 を占めることになりました。そして、カンガルーたちはアボリジニの精神に重要なだけでなく、普段の生活にも様々なものを提供してくれました。

お肉… 貴重なタンパク源
毛皮… 衣服
腱 …
骨 … 様々な道具の材料

 

★カンガルーという名前★

カンガルーという名前の由来はいくつかの説があると言われています。
1、キャプテン・クックが原住民に「あの動物は何か?」と尋ねると、「私は知らない」という意味で『カンガルー』と答えた。
2、大きな灰色のカンガルーを指す一種のアボリジニの言葉に由来する。

しかし、未だにどの説が正しいとは立証されてはいません。そして、日本ではカンガルーの呼び名は一通 りしかありませんが、アボリジニたちはカンガルーという俗称の他に      
オスカンガルー flyer
メスカンガルー boormer 
赤ちゃんカンガルー joey

           

と呼んでいます。

 

 

★カンガルーの出産★

カンガルーはメスのおなかに袋があり、その中で子供を育てる有袋類の一種としてよく知られています。

カンガルーは一年中発情期で雌はいつでも妊娠しています。有袋類の胎盤は原始的で胎児を長く育てる事ができないので、卵の栄養分を使い果 たすと、妊娠後、数週間で(種類によっても異なるが、約4〜6週間)未熟な状態の胎児を産み落とします。マッチ箱程度で毛も生えてなく、目も見えない、耳の穴もあいていない赤ちゃんは、母親がおなかから袋までの道のりをなめた匂いを頼りにして這いのぼり育児袋に入ります。赤ちゃんの手はとっても発達しているのです。そこで、袋に入った赤ちゃんは「コレだ!」と決めた一つの乳首にすいつきます。その為、離乳が近い子供と 産まれたばかりの子供が同時に袋の中に入っていても乳首を取り合うことはありません。乳は子供がすうのではなく、母親が筋肉を動かして規則的に送り込みます。ある程度大きくなると、乳首から口をはずして袋から顔を出すようになります。子供が袋から出て生活をするのは 、これまた種類にもよって異なりますが早いもので7〜8ヶ月後、遅いものだと18ヶ月後です。

 

★オーストラリアとカンガルー★

オーストラリア大陸ではこの200年間で17種の哺乳動物が絶滅したと考えられています。しかし、カンガルーは牧羊業者が平原に多くの貯水地を作った為に生息数がどんどんと増えています。そして、今は人口の3倍にあたる5000万頭が生息していると言われています。牧場主にとってカンガルーは草を勝手に食べてしまう害獣なので、年間に300万頭のカンガルーを間引きすることが認められています。殺されたカンガルーの多くは食肉にされます。

 

★カンガルーを食べる★

最近のヘルシーブームで注目を浴びているものに、このカンガルーの肉があります。昔は「ブッシュの食べ物」として、まともに相手にされなかったが、今ではアトピーの子供にもアレルギー反応のない、良質なタンパク源ということで健康食肉として有名になっています。少々固めな肉はステーキにしたり、シチューに入れたり、ジャキーにしたり…。メニューも幅広く、多くの人に愛されています。 現地では、繁殖もされてスーパーでも手軽に手に入れることができます。近い将来、日本のスーパーにもカンガルーの肉も牛肉や豚肉と一緒に並ぶことがあるかもしれません。


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