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塾とは
塾の4形態
塾の問題点
文部科学省が塾の存在を認める
提案
参考ホームページその他
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子供用へ

塾とは ページの先頭へ

 塾とは、学校教育では不十分だと感じる生徒やそのような親を持つ生徒が、学力養成を主たる目的として行く私的教育機関です。

塾の4形態 ページの先頭へ

 一区切りに「塾」といっても、分類すると次の4つに分かれます。すなわち、進学塾補習塾救済塾総合塾です。
 つまり、進学塾とは、成績の優秀な生徒を集め、ある意味でのエリート教育を受けさせることによって有名中学、有名高校、有名大学に入学させることを目標とした塾です。学校の予習や、受検対策を主に行います。授業のレベルは高く、分かる生徒にとっては伸びる場合が多いのですが、レベルについて行けない場合、意味不明となります。
 補習塾とは、学校の勉強だけでは不充分な生徒や、成績が平凡な生徒が、優秀な成績を上げるために通う塾で、学校の復習を主に行います。 教材は学校の教科書に準拠したものが多いです。
 救済塾とは、成績がわるいいわゆる落ちこぼれ生徒に、授業についていけるように教える塾で、例えば高校の数学であっても、分からなければ中学の内容に戻ったり、算数の復習をしたりもします。
 総合塾とは、このうちの2つ以上を行う塾で、フランチャイズ式の大チェーンに多いです。
 そして、もう一つの分類の方法があります。すなわち、個別指導教室指導です。
 個別指導とは、先生と生徒が1対1〜4対1くらいで、問題を解きながら、分からない所を直接説明する形式が多い。救済塾と、補習塾に多いのですが、進学塾や総合塾でも「個別指導」をうたった所もあります。
 教室指導は、分かりやすく言うと、学校の授業をもう一度やるもので、大きな学校の教室のような部屋で10〜30人ほどが、講師の授業をノートに取り、予習、復習を行い、授業の合間に質問をする仕組みで、進学塾や総合塾に多いものです。

塾の問題点 ページの先頭へ

椅子  塾と学校の一番の違いは塾があくまでも「営利」を目的としている点です。学校では、子供を育成することを重視して、利益をあげることを重視する私立学校も、私学助成金をもらっています。
 しかし、塾は違います。塾は、利益をあげないと倒産するのです。しかも、塾は簡単に開業できるのです。ビルの一室を借りて、本屋から、教材を買ってきて、机と椅子を並べれば、あっという間に塾の完成です。
 けれども、塾の経営は困難です。まず、先生が塾長と、あとは一人か二人という個人塾では、塾長が倒れれば終わりという危険性があります。塾長は経営者であると同時に先生であり、その先生が倒れてしまえば、他にバイトの教師がいるとしても、運営もままならず、閉校は免れない。そうなると、他の塾へ塾生が流れることは間違いない。
 次に、フランチャイズ方式のチェーン塾を考えます。ここの、一番の問題は、どう生徒を集めるかです。そこで、歩合給の営業マンが、電話をかけたり訪問したりなどの勧誘をします。しかし、いくらフランチャイズでも、加盟金や、月々の上納金は馬鹿なりません。そのために、いつまでたっても赤字が消えない塾もあります。つまり、塾の問題点は、その不安定さにあるのです。
 それだけではありません。今、塾へ通う子供達が、不思議な生活をしています。例えば朝8時に起きて登校、授業は1時間目から寝る。夕食に、ジャンクフードを食べて5時に塾へ直行、以降9時、10時まで塾で勉強、10時過ぎに帰宅後、塾の宿題などで寝るのは1時過ぎという生活です。 
 この問題点は、授業を聞かず、塾で勉強するから良いと考えることです。これでは、学校へ行く意味がありません。それに、夕食がどうしても外食になったり、帰宅が遅いという問題があります。高校生で、このような生活をしている人がいるのはもちろんですが、中学生、いや小学生もこのような生活をしているそうです。
 その次に、お金がかかるという問題があります。塾へ行く場合、1時間につき5000〜1万円が相場だそうです。もちろん、個別授業であれば高くなり、教室授業であれば安くなり、広告を大々的に打つ塾ならば高くなり、細々とやるところなら安くなる傾向にあることは事実ですが、目安としてはこの位でしょう。例えば1時間6000円ならば週2回2時間を1年間続けると125万円かかります。これを小3〜高校3年までの10年間続けると1250万円です。あくまでも例ですが、このようなお金がかかるということは、相当質もよくなければならないはずです。しかし、個別授業の場合、良くあるパターンでは、大学生が、ほとんど研修といえる研修もなしに2、3人の生徒を相手に、質問に答えたりしているそうです。それでいて授業料の大半は塾がもらっています。これでは、授業料を出すだけ損ではないでしょうか。もちろん、良心的な塾があるのは事実ですが。
 その上、子供よりも、親が塾へ行かせたいという面があるのです。お金を払う以上、行ってお金を払った分を取り戻して欲しいと思う親の気持ちが空回りして、例えばゲームセンターで遊んでいて、塾の終わる頃に、さも塾へ行ったように戻ってくるなどの子供もいます。子供が主体的に行きたいと思わなければ何の学びにもならないのです。
 最後に、受検戦争を激化させたという側面があります。塾同士が競合する中で学力向上をあおり、その結果、受検戦争が激しくなったというものです。
 ただ、これはあくまでも、その塾その塾によるものであって、全ての塾が不安定な経営で、金もうけだけを考えて、子供に昼夜逆転生活を強いるようなものではないこともまた事実です。

文部科学省が塾の存在を認める ページの先頭へ

 文部科学省(当時の文部省)の生涯学習審議会が、1999年の6月の答申で学校外の学習環境として塾を位置付け、その上で、過度な塾通いは、子供達への健康面への悪影響や、心身のバランスのとれた学力を養成する上で悪影響を及ぼすと言う風な答申をしました。この裏には、塾の存在が、無視できないほど大きくなってきたと言う事実と、それに伴って塾の悪影響も出てきたという事があります。

 提案 ページの先頭へ

 塾は、今の学校のシステムでは教えきれなかった多様なニーズにこたえるものとして登場しました。つまり、学校のシステム自体に問題があるのです。40人学級で、授業がわからない人からつまらない人まで様々な40人全ての満足する授業をすることは無理に近いことです。学校のシステム自体を、教科毎に意欲別にクラス分けをするなどの変革も必要ですが、今のシステムであれば塾はどうなるべきかを考えます。
 まず、塾は、助成金を申請します。自分の塾が、どのような人を教育するのか、どのように教育したいのかを申告し、助成金を申請するのです。そのお金を元に、教材購入、教師雇い入れ、生徒募集を行います。年度末には、その成果を公表します。
 ただ、塾の教育の内容は、
 (1)授業中心主義 学校の授業を第一とし、分からない所は先生に聞く。それでも解決できない特異な場合、担任の先生の許可を得て通う。
 (2)勉強だけを教えない 勉強を教えることに特化したことで、勉強だけで採算をあげなければいけないから、過度な競争が起こるようになった。勉強以外の例えば自然体験などを教える。
 これによって、塾は地域の教育センターに生まれ変わります。今までの始めに塾ありきから、塾は今の教育システムで漏れた子のフォローと、ゆとりの時間に、遊びながら生活体験をしながら学べる場として、採算を第一としない経営ができるようになれば、塾の問題は解決するのではないでしょうか。
 今後求められているのは、例えば週休完全二日制になった際の土曜日に勉強をするのではなく、自然体験などの、人格を形成する事を行うなど、それぞれの個性に合った生きる力をはぐくむ地域機関なのです。


参考ホームページ、その他

【引用情報】画像「椅子」
【情報源】岡茉莉子
【引用許可の取得方法】本人に直接許諾を得る
【許可の取得年月日】2001年3月10日

リンク集に登録済文部科学省様 「生活学習審議会」
文部科学省
<http://www.sta.go.jp/b_menu/shingi/12/shougai/toushin/990602.htm>

1999 (2000年12月)

リンク集に登録済伴野塾様 「伴野塾のホームページ」
<http://www.d6.dion.ne.jp/~banno/index.htm>

2001 (2001年3月)


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