受精卵クローン と  体細胞クローン



1997年2月27日、イギリスのロスリン研究所のイアン・ウィルムットらが世界で初めて体細胞を使ったクローン動物を誕生させたと発表し、世界に衝撃を与えました。
生物学では、このクローンという言葉は「遺伝的に統一の個体や細胞」と定義されています。
動物に分けるクローンには
「受精卵クローン」「体細胞クローン」という二種類が存在します。
日本国内でもドリー誕生以前に何度も生まれているクローン牛や、ロスリン研究所の発表直後に明らかになったアメリカのクローンサルなどは、受精卵クローン動物です。



*受精卵クローン動物の作り方*

             まず通常の受精卵を細胞分裂させます。
             そのうち一つから核を取り出します。
             その核を、別の雌から取り出して核を取り除いた未受精卵に、移植します。
             そうしてできた胚が成長して生まれるのが
「受精卵クローン」動物です。


なぜドリーは注目を集めたのか?

日本でも1980年代より、受精卵クローン牛がたくさん生まれています。
肉の味がよいウシを数百頭単位で誕生させることも不可能ではなくなるといいます。
一方、羊ドリーは「体細胞クローン」として生まれました。体細胞クローン動物が、受精卵クローン動物と決定的に違う点は、
雄の介在なしで生まれた点にあります。
受精卵クローン動物の元となる受精卵は通常の交配によってできたものなので、父親と母親の遺伝情報が混ざっています。 受精卵クローン動物は、双子や三つ子と同じです。
ところがドリーは、乳腺細胞の持ち主である雌ヒツジとまったく同じ遺伝情報を持って生まれたので、注目を集めたのです。



                    ←戻る       体細胞クローン 羊ドリー