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声を辿ると、どこかに放り出されてしまいました。
ここはどこなのでしょう?
とても温かくて、懐かしくて。
なぜか落ち着きます。母のおなかのように。
そうです。まるでお母さんの……。
シノカントを呼ぶ声は、続けて何かを言います。
「シノカント。あなたはもう分かっていますね。
分かっていますよね。
あなたには使命があるのです。
その使命を、もう理解しているはず。
あなたがアイヌにとって、とても大切な人になるよう。
私は、そして神様達は、いつでもあなたのことを見守っています。
紡がれる虹を大切にして……」
シノカントは、気づきました。
母です。それは、母からの遺言でした。
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