霧の種類



移流霧
温かくて湿った空気が、冷たい地表面や海上を移動するとき、下層から冷やされると 霧が出来ます。これが移流霧です。春から夏にかけて、三陸沖から北海道東方沖の 冷たい海域に暖かく湿った空気が入ってきます。このためここで移流霧である海霧が 発生します。また北西季節風時には、沿岸霧が発生します。
この海霧は非常に濃い長続きする霧で、厚さが600mにも達することがあります。 海霧が発生した海域では、船舶にとっては大きな障害となるほか、北日本ではこの霧が 流れ込んでくると、気温が上がらなくなり冷害となります。

放射霧
風が弱くて晴れた夜には、地面の熱がどんどん大気中に逃げていくため、地表面付近の 温度が下がります。これを放射冷却といい、このため地面付近の空気が冷えて、 空気中の水蒸気が水滴となり、空中に浮かんで霧となります。これが放射霧です。
地表面付近の現象で、日の出後1〜3時間くらいで消えて晴れます。 発生場所により、内陸霧・谷霧・盆地霧などがあります。

蒸発霧、蒸気霧
暖かい水面上に冷たい空気がくると、水面から蒸発が起き、水蒸気の補給によって できる霧です。降雨による蒸発霧(雨霧など)と、地物から水分が補給される 蒸気霧(川霧など)に分けられます。
風呂の湯気も、朝早く湖や川面にかかる霧も、冬の日本海で対馬暖流の上を冷たい 季節風が吹くときにできる霧もそれらと同じ原理で出来ます。


前線霧
前線に伴って発生する霧です。温暖前線から降る比較的暖かい雨が、前線の下にある 寒気内でいったん蒸発して水蒸気となり、それが再び冷やされると霧が出来ます。 これが前線霧です。前線通過後雨で湿った地表上にできる放射霧がこれに属します。





滑昇霧
空気が山の斜面をはい上がり、上昇気流によってできる霧です。遠くから見ると 山頂付近に雲がかかっています。





混合霧
気温の異なる二つの湿った空気の塊の混合によってできる霧です。

逆転霧
気温の逆転層下にできた層雲などの雲低が、地表まで下がった霧です。