コペンハーゲン

都市構想

コペンハーゲンでは、市が中心となり、データを活用しながら、市民の質の高い生活の実現を目指しています。具体的な戦略としては、データの活用、インフラの整備、様々な地域の機関との協力を通じて、「健康」「モビリティ「エネルギーと気候」「市民」「教育」といった分野に注力しつつ、都市全体の効率性の向上を目指すことです。 主な取組は以下の通りです。



CITS(コペンハーゲン・インテリジェント交通ソリューション)

CITSは、交通渋滞の改善と二酸化炭素排出量の削減、市民の安全性向上を目指すプロジェクトです。2018年までに最先端のITS(高度道路交通システム)導入を目指し、適正なプライバシーレベルを保持しつつ、市内からWi-Fi端末を通じて自動車や自転車利用者の位置情報を収集しています。長期的傾向を割り出し、気象情報などその他パラメータと渋滞 状況との相関関係を分析中です。 2018年までには、自転車及びバス利用者の移動時間が10%短縮されることが予測されています。



DOLL(Danish Outdoor Lighting Lab)

オフィス街や住宅街の一角を実証実験場とし、国内の照明関連企業の最新照明ソリューションを設置しています。また、現地の温度や汚染物質の分布について計測するセンサーを搭載して、路上の温度や大気汚染物質の濃度といった情報も計測するなど、複数メーカーの照明製品を実地で並べて比較できるショールームの役割も担っており、開発側のみでなく、ユーザー目線にも配慮されている点が特徴です。例の一つとして、実証実験場兼ショールームの一つであるインダストリアルパーク内の一部のエリアに、Wi-Fiネットワークが張り 巡らされ、各照明ソリューションがインターネットに接続され、「照明プラットフォーム」が構築されていることが挙げられます。また市の予算以外にも協力団体からの投資を活用し、2025年までにカーボンニュートラルの達成を目指しています。



プラットフォームの概要(構築)

個々のスマートシティイニシアチブのデータを1つのプラットフォームに統合し、データ収集、統合、共有を一元化する世界 初の取り組みを、日立コンサルティングがLiving Plan ITと連携 して実現しました。(プラットフォームはLiving Plan ITのものを使用しています。)



ビックデータの活用方法

街灯に無線LANアクセスポイントを設置し、 Wi-Fiデバイス、Bluetoothセンシング等によって集めた、人や車、バイクなどの移動データを分析しています。それを用いて交通車両をリアルタイムで追跡し、信号機等の設備使用の最適化を図り、CO2の削減と輸送・移動時間の短縮を実現しました。携帯電話、ゴミ箱に設置したセンサー、下水処理システム等か ら大気質やCO2排出量に関するデータを回収し、大気汚染の改善やCO2排出量の削減に活用しています。コペンハーゲン空港の利用者の携帯電話からのWi-Fiアクセスにより、位置と動きをリアルタイムおよび履歴で3Dマッピングし、行動・利用予測に活用しています。 集めたビックデータは、企業間による都市ビッグデータ取引市場の創設(City Data Exchange)や、公共・民間データの統合に活用する予定です。このデータ市場は企業の事業計画や新たな事業機会予測への活用も期待されています。
米IBMは、このデータを活用し、デンマーク国内にヘルスケアコンピテンスセンターを設置して、ライフサイエンスから医療現場に至るまでの健康医療バリューチェーン全体に関わるソリューションの研究開発を実施しています。



前のページに戻る