季節:春
20時南中:5月28日
代表的な星:Mel.111(星数およそ40個ばかりの散開星団)
その他:散開星団がそのまま星座になった、めずらしい星座。
〜神話〜
紀元前3世紀頃、エジプトを治めていたのはエウエルゲテス善行王でしたが、王には美しい髪の毛の持ち主ベレニケという妃がいました。
あるとき、王がアッシリアとの長い苦しい戦いで大敗し、王自身が敵陣に捕らえられるという大ピンチに陥りました。ベレニケ王妃は、アフロディテの神殿に詣でると、「もし、夫が無事に帰ることができましたら、この髪の毛を断ち切って神殿に捧げることをお約束しましょう」誓いをたてました。
それからまもなく、エウエルゲテス王は、アッシリア軍の手から逃れ、反撃にでて、みごと大勝利をおさめました。ベレニケ王妃のもとに勝利の報告がもたらされると、王妃はアフロディテ女神の加護のおかげと、誓いのとおり、美しい髪の毛を切り取って神殿に捧げました。
大勝利をおさめて帰還した王は、ベレニケ王妃との再会を喜び、しかも、ベレニケが自分の無事を願ってなにものにもかえがたい琥珀色の髪の毛を切ったと聞かされ、その愛の深さに感じ入りました。ところが、不思議なことに、祭壇に祭られていたはずの王妃の髪の毛がこつぜんと消えてしまったのです。そのとき、宮殿天文学者のコノンが天をさして言いました。
「大神ゼウスさまが、王妃の髪の毛の美しさを愛で、星座にされたのでございます。」
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