ワイヤレス給電の歴史
ワイヤレス給電の技術は、電磁誘導を用いた電磁誘導方式。電流を電磁波に変換しアンテナを介して送受信する電波方式。
電磁界の共鳴現象を利用した電磁界共鳴方式。
この3つの方式が主流となってます。
ここではこちらの技術の歴史を紹介します。
ワイヤレス給電の起源
ワイヤレス給電の技術が近年発達していく現在ですが、
約一世紀ほど前に電波を飛ばす塔を作り、離れたところへ電力の供給を行おうとした
ニコラ・テスラという人がいました。
当時、時代を先行する彼の発想は周りの人間には理解し難いものであったそうです。
ニコラ・テスラが世界システムと名づけたこの時から始まり、
電波以外でのワイヤレス給電技術も研究されてきました。
それが磁界共鳴方式や、つい最近、村田製作所から発表のあった直流共鳴方式です
ワイヤレス給電の起源、『世界システム』
「世界システム」という構想は、地球そのものの電気振動と共振(共鳴)して、莫大なエネルギーを殆どタダで、しかも無限に得る事の出来るものでした。
どこからこんな発想が来たのでしょうか。
世界システムを考えたテスラは、高エネルギー発生、送信装置を開発していました。そうして出来たのが拡大送信機です。これは実際に実験されていて、1200万Vもの電圧を発生させることに成功しているのです。拡大送信機では高周波振動をつかってエネルギーを取り出していますが、地球の定常波を見つければ、定常波を使ってエネルギーが得られるのではないか、こうして考えられたのが世界システムです。
ニコラ・テスラ
『世界システム』を発明したニコラ・テスラ。
彼はどのようにして『世界システム』を発明するに至ったのでしょうか。
テスラの発明の多くは、身近なものからインスピレーションを得ています。
世界システムに欠かせない拡大送信機も例外ではありません。
斜面を転がる雪玉がどんどん大きくなるのを見たテスラは、自然界にはとてつもないエネルギーに満ち溢れているのではないかと考えたといいます。また、落雷とともに降りだした雨から、電気的なきっかけを作ればエネルギーが取り出せるかもしれないと考えます。
このような発想から、拡大送信機が生まれました。
効率を大幅にUPさせて世界を震撼させた『磁界共鳴方式』
2006年11月、マサチューセッツ工科大学は電磁界共鳴方式を用いて、2メートル離れた電球に明かりを灯す実験に成功しています。
これがどれほどすごいことなのか、すぐにピンとくる方は少ないでしょう。
身近にあるものを見てみてください。例えばsuicaはどうでしょう。タッチしますよね。つまりとても近距離でしか使えなかったのです。これまでは 電磁誘導方式を用いていたからです。電磁誘導方式では、距離が離れてしまうと送電できなかったのです。しかし、マサチューセッツ工科大学によって、もっと離れた距離でも送電できることが実証されたのです。
今年村田製作所から発表された『直流共鳴方式』
いろいろな企業や研究者によって、送電効率を上げるために研究されているワイヤレス給電ですが、今年、新たな方式が発表されました。
直流共鳴方式です。
これまでは送電の際に、直流電圧から高周波交流電圧に変換しなければならず、これによって大きなエネルギーの損失があったのですが、その名の通り、直流電圧のまま送電することによって、エネルギーの損失を減らすことができるというものでした。
つまり、開発が進んだことによって変換しなくても送電することができるようになったため、エネルギーの損失が減ったというわけです。