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ここでは、東洋と西洋のそれぞれにおける経済発展に向けた協定について説明します。 現在、西洋、特にヨーロッパには欧州連合(EU)という共同体があります。これに加盟している国は、通貨の統一や関税の撤廃、越境の際にパスポートを必要としないなど、経済発展を目的としたさまざまな優遇措置を受けることができます。 EUの発足は、第二次世界大戦中に提案された欧州統合です。しかし、そのころのヨーロッパ内ではイギリスとソ連の領土争いが行われていたため、この統合案は受け入れられませんでした。そして終戦後、繰り返される戦争の影響で工業産業が衰退し、統合論が再度叫ばれるようになり、1952年にEUの母体となる欧州石炭鉄鋼共同体が設立されました。その後欧州経済共同体と欧州原子力共同体を統合し、1967年に現在の欧州共同体の形となりました。 一方で、東洋では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)という加盟国間での関税を撤廃する政策が行われています。 この二つの協定は一見すると似ていますが、本質的な部分で大きく異なります。 ここで注目するべきは「共同体」というキーワードです。この言葉は東洋の「協定」に比べて、他の加盟国に依存していることを示しています。このことは、通貨の統一や出入国の規制緩和など、他の経済協定には無い例外的な措置をとっていることからも言えるでしょう。しかし、西洋諸国が共依存の関係を築いている一方で、東洋諸国は「連携協定」というよそよそしさの残る表現を使っていることがわかります。 そしてこの表現の違いは決して偶然ではなく、西洋と東洋の歴史文化の違いから生じているのです。 ヨーロッパでは各国間の移動が比較的しやすく、彼ら自身も移動に対してあまり抵抗をもっていなかったことから、現在でもヨーロッパ各国では「まとまり」を持った経済政策が可能になっています。 それに対して、アジア諸国がこのような政策を行えずに「つながり」の関係にとどまっているのは、アジアでは国や地域ごとに仏教をはじめとしたさまざまな宗教が混在していることや、中国が他国に比べて圧倒的な力を持っていたことに起因しているのではないかと考えられます。 |
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