TOP現代に見る東西宗教的建築物





 西洋と東洋の両方に共通する建造物の用途として、宗教が関係するものが挙げられます。宗教は当時の人々にとっては日常生活にも関わるほどの重要な存在であり、それらの存在は東西両方の人々にとって精神的に大きな支えとなっていたと考えられます。

 中世以降、西洋ではゴシック建築様式の教会が数多く造られました。ゴシック建築の最大の利点は、豪奢で高さのある教会を造れるようになったことであり、キリスト教と密接に関わる教会が見た目にも大きく豪華となったことで、教会は西洋の人々の精神的なシンボルとして機能するようになったと考えられます。

 西洋では、教会を中心として都市区画を整備した街を形成しています。これは西洋の人々が教会を直接的に認識することを重要視した結果、街のどの場所からでも行くことのできるような道を作る必要があったためであると考えられます。 また、西洋のこのような街作りは、街の拡大によって教会がシンボルとしての機能を喪失することを防ぐことができました。これにより、西洋では街の拡大を安易に行うことができました。 東洋における宗教的建造物の代表は寺ですが、東洋ではそれらを中心として街を発展させていった例はあまりありません。むしろ東洋では、既存の街の中に新たに寺を建てていくことが多く、一つの街に多くの寺が存在する場合も少なくありません。東洋がこのようなスタイルをとっていた背景には、東洋の人々の森林的思考が影響しています。東洋の人々は、直接的に寺の存在を確認することをあまり意識せず、自分たちの住む街に寺があるという事実を重要視していたと考えられます。

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