液状化現象について

@どこでも起きるわけではなく、以下の3つの要因がそろった時に起きてしまう

T.砂地盤が緩いとき...海岸の河口付近、埋立地、河川の扇状地などで多く見られる。(砂地盤のN値が20以下で、0.03mm~0.5mm)
U.地下水の位置...水位が地表面から10m以内で、水位が浅いほど液状化が起こりやすい
V.地震の揺れ...震度5以上と言われており、揺れている時間が長いほど被害が大きくなる傾向がある。

A液状化現象の工程

T.普通時の地盤は砂粒同士が接触することで強さを保っている状態である。
U.地震時の地盤は揺れにより、地盤が変形し隙間の水が押し出される働きにより隙間の水圧が高くなり、砂粒同士が接触する力が弱まり泥水のような状態になる。
V.地震後の地盤は泥水の中の砂粒が沈降し、砂粒と砂粒の隙間が小さくなり地盤が沈下する。その後、圧力の高くなった地下水は噴砂や噴水として地表面に噴き出され、地上にある建物などの重いものは沈降し、地下の水道管などの軽いものは浮上する。

B再液状化について...

液状化した地盤が次の地震で再び液状化になってしまうことをいい、一度液状化した場所では発生する可能性が高いといわれている。
このことは、1回液状化で地盤が沈下しても次の液状化が発生しないために必要な地盤の締め固め量の半分程度しかならないといわれています。

C液状化の影響

液状化は建物を大きく傾くということから広く知られるようになりました。しかし、液状化は建物の沈降したり傾くだけではなく、さらなる二次的な問題を発生させます。
たとえば...
T.給排水の被害...建物とつながっている上下水道の管路が切断されたり、引き裂かれたりされ、切断部分から土砂が入るため、液状化していない地域にも影響がある。
U.緊急車両などの交通障害や事故の誘発...道路では噴砂の堆積物や、埋設されていたマンホールなどの地中構造物の浮き上がりにより、交通障害を引き起こしやすくなってしまう。
V.橋の倒壊による交通障害...河川周辺では液状化がおこりやすく、広域に液状化がおこると地盤全体が大きく横に移動してしまい橋が落ちてしまうことがある。しかし、現在の主要な橋は液状化の対策が施されているため、その危険性が少ないと考えられます。

D液状化現象への対策

液状化の対策は、地盤に施す場合と建造物に施す場合の大きく二つに分かれており、地盤に施す場合は液状化させないことが基本で、建造物に施す場合は液状化しても必要な機能を保つことが基本になります。
考え方として、地盤の対策は以下の3つと考えられています。

1.地盤を締め固める...地盤を固めるためには砂粒の密度を増やす必要があります。巨大地震には対応していない形になっているが、新設建造物や直下地盤に適しており、比較的安価となっている。

2.地盤の固化...地盤の固化をするためには安定材で固める必要があります。巨大地震、耐震補強に対応していて、新設建築物、既設建築物、直下地盤、周辺地盤に適していて、確実だが、高価になっている。

3.地盤から水を抜く...地盤から水を抜くためには井戸を堀り、水を出す作業が必要になります。巨大地震に対応していないが、耐震補強には対応しており、新設建造物、既設建造物、直下地盤には適していて、安価だが変形が生じる可能性がある。


そして、建造物への対策として、杭などで強化するという対策があります。杭などで強化するためには固い地盤に届く杭が必要になっています。巨大地震、耐震補強に対応しており、基礎的な建築物や岸壁などに対応しています。しかし、側方流動する地盤対策には高価である。