減らそうデブリ -私たちの提案-
この章では、デブリを減らすための国際的なガイドラインを見たり、今まで私たちが意見してきたのをもとにし、私たちが考えた対策や、討論したことを載せています。
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これをご覧になり、ぜひ皆さんなりの対策を考えてみてください。
デブリ低減ガイドライン
平成19年2月に国連宇宙空間平和利用委員会(UNCOPUOS)で「スペースデブリ提言ガイドライン」が合意されました。
これは、宇宙開発におけるスペースデブリ発生に対する共通認識をまとめたガイドラインです。
現在、世界ではこのガイドラインが基準として認識されていますが、どのような内容なのでしょうか。また、問題点はないのでしょうか。
ガイドラインといっても法的拘束力は全くなく、推奨の域に留まっていること、
また、「約束を守るよ!」といっている国のほとんどが先進国だけです。
(中国を始めとする新興国は、「現在のデブリ問題は先進国が生み出したんだから自分たちは関係ない!」)と主張しています。なんだかCO2の問題と似ていますね。
それを頭に入れた上で、次のガイドラインを見てください!
ガイドライン1・2
ガイドライン1 ー正常な運用中に放出されるデブリの制限ー
スペースシステムは正常な運用中にデブリを放出しないように設計すること。
もしこれが不可能ならば、デブリ放出のアウタースペース環境に対する影響を最小限とすること。
スペースエイジの最初の数十年間、打上げロケットや宇宙機の設計者は地球周回軌道上に多くのミッション関連物体の意図的な放出を許してきた。
(中略)そのような物体がもたらす脅威を認識することで設計努力が促進され、この種のデブリ源を削減するのに有効であることが実証されてきた。
つまり、正常な運用中にデブリを放出しないように設計し、それが不可能ならば、軌道上の環境への影響を最小限にすることを求める、という主旨です。
世界的にも締結具や保護カバーは分離・放出されないように設計されています。
ガイドライン1は守られているようですね!
ガイドライン2 ー運用フェーズによる破砕の可能性の最小化ー
宇宙機とロケット軌道投入段は偶発的破砕に至る不具合モードを避けるように設計すること。
もしそのような不具合を生ずる条件が判明したなら、破砕を避けるように廃棄処置と無害化処置を計画し、実施すること。
歴史的に幾つかの破砕は推進系及び電力系(中略)の故障などのスペースシステム不具合によって引き起こされてきた。
不具合モード分析に潜在的破砕シナリオを見込むことで、これらの群発的粉砕なイベントの確率は削減できる。
これは、推進系や電力系の不具合によるブレークアップを防いでいこう!というものです。
運用中の人工衛星などは主要な圧力や温度などを監視し、異常を検知したら粉砕事故の発生を未然に防ぐことを推奨しています。
JAXAでは、設計作業のなかで不具合防止、監視項目の設定を行っており、不具合が発生した場合にはバッテリの充電ラインを絶つなどの対策を行います。
ですが、使用中でない人工衛星はここには含まれません。明記しなくても大丈夫なのでしょうか…。(しかも推奨!!)
ガイドライン3・4
ガイドライン3 ー偶発的軌道上衝突確率の制限ー
(中略)既知の物体と偶発的衝突を起こす確率が見積もられ、制限されること。
取得可能な軌道データが衝突の恐れを示しているなら、打上げ時刻の調整や軌道上回避が考慮されること。
幾つかの偶発的衝突が既に明らかになっている。
(中略)スペースデブリの数量・質量が増加しているので、新たなスペースデブリの主要因は衝突であるかもしれない。衝突回避手順が既に幾つかの国や国際機関で採用されている。
これは、人工衛星などがスペースデブリと衝突する可能性があるなら、打ち上げ時刻を調整したり、軌道上で回避し、デブリ発生を防ごう、という物です。
ここには問題が多数あります。
通常、使用する軌道の設定はミッション遂行上の軌道高度•傾斜角度の要求に基づくもので、デブリの分布を考慮して設定はしていません。また衛星回避のためのデブリ防御装置も一般的ではなく、多層の防御壁を適用する人工衛星としてはISSなどががわずかにあるのみです。
打ち上げ時刻の調整も、宇宙飛行士が乗っている場合という、デブリ対策ではなく人命尊重の観点です。
また、無人衛星の衝突回避がなされているのもヨーロッパの宇宙機関とNASAのみで、しかも主要な衛星のみとなっています。(しかも、これを行うには高度な観測施設が必要であるため推奨の域に留まっており、日本でもこれは行われていません。)
ガイドライン4
意図的破壊活動とその他の危険な活動の回避。増加する衝突リスクが宇宙運用に脅威を与えるとの認識により、宇宙機やロケット軌道投入段の如何なる意図的破壊も、その他の長期に残留するデブリを発生する危険な活動も避けなければならない。
意図的破壊が必要な時、残留破片の軌道滞在期間を制限するために充分低い高度で行わなくてはならない。
これは、アメリカが行った短い針を散布するような実験や人工衛星を破壊する実験を避けるように求めるものです。
しかし、これは欧米の
「再突入時の安全確保のための計画的破壊を行う余地を認めてほしい!」
という主張により、
意図的破壊が必要な時、充分低い高度で行わなくてはならない。」
と若干認める表現となっています。
わずかにでもその行為を認めてしまってよいのでしょうか。ここにも対策が必要なようです…。
ガイドライン5・6
ガイドライン5
残留エネルギーによるミッション終了後の破砕の可能性を最小にすること。
他の宇宙機やロケット軌道投入段への偶発的破砕のリスクを制限するために、全ての搭載蓄積エネルギ源は、ミッション運用に必要でなくなる時点あるいはミッション終了後の廃棄処置の時点で排出するか、無害化しなければならない。
これまでのところ、カタログ化されているスペースデブリの数量の大きなパーセンテージは宇宙機やロケット軌道投入段の破片に起因するものであった。それらの破砕の多くは意図的なものではなく、多くは多量の蓄積エネルギを有する宇宙機やロケット軌道投入段の放棄から起きている。
最も有効な低減策はミッション終了後の不活性化である。
不活性化は、残留推進剤や圧縮流体を含むあらゆる形態の蓄積エネルギーを除去することを要求し、電池の放電も含む。
これは、切り離しが行われた推進系などが爆発を起こさないように、運用終了時点で残留推進剤の排出や充電ラインの断を求めるものです。
しかし、ここで放出された燃料はデブリとなってしまいますよね。
デブリを作らないための根本的な対策とはいえないようです…。
ガイドライン6
宇宙機やロケット軌道投入段がミッション終了後に低軌道(LEO)域に長期的に留まることの制限
①LEO 領域を通過する軌道で運用を終了した宇宙機やロケット軌道投入段は管理された方法で軌道から除去すること。それが不可能ならば、LEO領域への長期的滞在を避ける軌道に廃棄すること。
②LEOから物体を除去する解決案を決断する際には、残存して地表に到達するデブリが、有害な物質による環境汚染を含む、人間や財産に不当なリスクを課さないことを保証するために十分な配慮が払われなければならない。
①これは、使用済みの衛星は軌道を移し衝突を避けさせるというものです。
一般的には墓場軌道に移動し、衝突の危険性を下げるものです。
サイトをご覧いただいた通り、日本はこれを行っています。
②これは、高度2000km以下の衛星は、運用終了後25年、あるいは50年以内に大気圏に落下させることを求めるものです。
しかし、この期間に運用高度をここまで下げることは多量の推進剤を必要とするため実現には多くの技術を必要とします。また、ロケットに関していえば、再着火能力を有しないと実現できないので、その実現性はさらに限られると見られています。
アメリカは今後開発する衛星は原則としてこのガイドラインに従うとしていますが、それが果たされるかは25年後に判明することでしょう。
私たちの意見
デブリ低減ラインの説明をする前に、あらかじめ「推奨」ということを頭に入れてほしいと書いたように、国連のUNCOPUOS(国連宇宙平和利用委員会)のこのガイドラインにはほとんど拘束力がないのです。
規制を破った国にも罰則はなく野放し状態となっています。さらにアメリカなどの権力の強い国が「嫌だ!」といえば、規制が軽くなったり、通らなかったりしています。
これではデブリが減るわけありません。どうしてこんなにも拘束力がないのでしょう?
まずは、この国連のUNCOPUOSという組織の問題があると思います。
UNCOPUOSの参加国は現在76カ国。
これほど国が多いと決まらない事柄がでてきたり、強い国の圧力により、規制案が通らないこともきっと多数あるでしょう。
だからこそ、「推奨」などの言葉となってしまっているのではないでしょうか。
さらに国連は様々な国があつまった非常に大きな機関であり、UNCOPUOSはその大きな組織の中の、本当に小さな組織の一つです。
この点でも、あまり力を注ぐことができないということもあると思います。
やはり、国連とは別に、既にデブリ問題について罰則があるということを参加条件にした、デブリ問題だけを取り扱うという機関を作る必要性があると思いました。
しかし、あらかじめ罰則を決めてしまうと、都合の悪い国は参加を拒否するかもしれません。
これでは意味がありません。
ならばどうしたら参加してもらうことができるのでしょうか。
この問題について、私たちは討論会で深く論議しました。みなさんも私たちの討論会の章をご覧になる前に、ぜひ少し考えてみてください。
デブリを除去しよう
除去システムまとめ
ここは、デブリを除去する小型衛星のシステムのまとめやそこに存在する問題点を知ることできる章です。
現在、実証実験が終わっている、または実証実験を行う目処が明確にたっている除去システムはアストロスケール社の『BOY』と『マザーシップ』のシステムであったり、欧州宇宙機関の『Gossamer』があげられます。
このふたつともある程度大きいスペースデブリ、つまり原型をほとんどそのまま留めている、運用を停止した人工衛星を対象としてます。
また、対象物に近づきドッキングし、大気圏に突入させる点も似ていますね。
なぜ大気圏に突入させる方法が最も主流なのか、手っ取り早く爆発させればいいじゃないか!と疑問に思う方も多いかもしれません。
もし爆発させると、デブリはさらに小さなデブリ(しかも数が数倍に膨れ上がる)となり、デブリクラウドを形成してしまいます。
これは先ほどの章でも述べたように、観測ができないため非常に危険です。
ですから、完全に消滅させるために爆発は使えず、大気圏に突入する際の空気との断熱圧縮による加熱でデブリを消滅させるしかないのです。(あまりにも大きいものだと大気圏突入後も残ってしまう可能性があるので大きさにも規定があります。)
調べて考えたコト
世界に先駆けデブリを除去する必要性を唱え、それを実行する民間企業のアストロスケール社は本当にすごいと思います。
このようなビジネスに参加する企業がより増えるといいですよね。
将来、レーザーなどで完全にデブリが蒸発するようなシステムや、デブリを回収し資源をリサイクルできるようなシステムが開発されると、デブリ除去にも多様性が生まれ、デブリを除去するというヒビジネスが確立されるかもしません。
それは人類にとって、デブリを除去でき経済も発展できる一石二鳥な未来なのかもしれませんね!
これまでの案
構想
これまでこのサイトで紹介してきたようにスペースデブリは秒速8kmという超高速度で衛星軌道上を回っており、とても大きなエネルギーを持っています。そのため、例えばそれが小さなネジだったとしても鋼鉄の厚い板を貫通するような威力があります。
デブリはこれからの宇宙開発において一番の問題とも言えます。しかし、このような大きな問題にもかかわらず明確な解決策は無く、スペースデブリはどんどん増え続け、非常に危険な状態です。
今後、宇宙開発を続けていく為にはデブリを減らす必要があります。
デブリを減らす為には主に
『デブリ自体を減速させ周期軌道の高度を下げ、高度が下がったことにより空気摩擦が増え、さらに減速し空気との断熱圧縮により燃え尽きさせる』
方法が最も有力だとされています。
つまりデブリを減速さえさせてしまえば後は勝手に燃え尽きてしまうのです。
ではなぜこのような大問題まで発展し、解決が難しいと言われているのでしょうか?
実際に提案されたものの失敗に終わった対策案を紹介しつつ解説していこうと思います。
・デブリに物をぶつけて減速させる方法
デブリが減速すれば燃え尽きてしまうのだからデブリに直接物をぶつけて減速させてしまえばいいではないのか?という考えです。
しかし、これはむしろ逆の結果になります。
デブリは秒速8kmと言うような超高速度で衛星軌道上を回っているため高いエネルギーを持っています。ですから物をぶつけたとしたらその物は瞬時にバラバラになり、その破片1つ1つがまたデブリとして拡散してしまうのです。つまり、デブリを減らすつもりがむしろ増えてしまうのです。
このようにデブリが物にぶつかり新しいデブリが連鎖的に起きる現象をケスラーシンドロームと言います。
・網でデブリを捕まえる方法
確かに網をデブリと同じ秒速8km/sの速さで並走すればデブリを捕まえる事は可能ですが、「スペースデブリは軌道上を右回り」なんてことは無くいろいろな方向へ回っています。
もし秒速8kmで並走している網に反対側から他のデブリが秒速8kmで来れば相対速度は秒速16kmですから、悲惨な衝突が起きてしまいます。
・デブリを軽い物に置き換える
軌道上に巨大な発泡スチロールのような物を浮かばせ、そこにデブリを通過させることによってデブリを軽い発泡スチロールに置き換えようとする方法です。
仮に発泡スチロールに置き換える事ができても今度は大量の発泡スチロールがまたデブリとして回ることになります。
発泡スチロールならぶつかっても大丈夫ではないのか?と考える人もいるかと思いますが、例え発泡スチロールだとしても秒速8kmでぶつかられるとそれなりの被害がでるので、解決とは言えません。
討論会
序章
れいら:デブリって本当に危険なんだねー!
れいら:早くなんとかしないと!
流星:僕たちになにかできるかなぁ
れいら:考えたんだけどデブリの問題を解決するために…
れいら:デブリを作らないこと、減らすこと、あと、デブリから守ることが必要だと思うんだよね。
流星:なるほど!確かにね!
流星:僕は社会的な対策も必要だと思う!
れいら:社会的対策?
流星:デブリ対策が進まないのって
流星:それぞれの国があまり、デブリについて真剣に考えてないからじゃないかな?
れいら:確かに!
れいら:デブリ低減ガイドラインでも、「推奨」とか「罪はありません」とかあいまいな感じだったよね
流星:そうなんだよ!
れいら:じゃあ
れいら:物理的対策と社会的対策に分けて 話し合っていこう!
物理的対策
・デブリを出さない!
れいら:とりあえず
れいら:デブリを出さないことを考えてみよう。
流星:うーん…そうだなぁ
流星:なにかできないかなぁ…
デリブー:ブゥーー!!
れいら:あ!デリブー!
れいら:デリブーも一緒に考えようよ!
デリブー:考えるブーー!
れいら: デブリを出さないためにはブレークアップの問題をなんとかする必要があるよね
流星:ブレークアップってロケットの中に残った燃料に衝撃が加わって爆発するんだよね?
れいら: うん
流星:じゃあさーその燃料を少なくすれば?
流星:余っちゃうから爆発するんでしょ?
デリブー:ブゥーー!!
流星:うわっ!!なんだよデリブー!
デリブー:そんなことをしたらそもそも衛星がたどりつけなくなるかもだブー
れいら: あー…そっかぁ…
れいら: そうしたら、その衛星がデブリになっちゃうのかぁ
流星:地球に落ちたら、さらに大変だ!
れいら:じゃあ燃料を外に出しちゃえば?
れいら: そうすれば爆発は起きないよ
デリブー:それが今 ブレークアップ対策として主に行われてるみたいだブー
流星:でも、その燃料はどうなるんだろう?
流星:宇宙で漂い続けるのかな?
デリブー:ブー…(たしかに)
れいら: それなのに今、行われてるの?
れいら: なんか納得いかないなぁ
流星:他に何か燃料がないか調べてみるね
れいら: ありがとう!
・ ・ ・ ・ ・ ・
流星:あった!あったよ!
れいら: 本当!?
流星:えーと…デブリ低減…固体推進薬?
流星:っていうのがあるよ!
デリブー:どんなものブー?
流星:ロケットが進むときに出る燃えカスがデブリにならないんだって…
れいら: でも、残っちゃったらどうするんだろう
れいら: やっぱり外に出すしかないのかなぁ
デリブー:それじゃあ
デリブー:その燃料使い切ったらどうブー?
流星:どうゆうこと?
デリブー:燃料がなくなるまで動き続ける自動システムどか、そうゆうのを作ったらどうブー?
流星:なるほどー!
れいら: その燃料で地球に戻ってくればいいんじゃない!?
流星:おぉ!!
流星:れいらナイス!
デリブー:リサイクルもできるブー!お財布にも優しいブー!
れいら: なんだかブレークアップの問題は解決できるかもね!
流星:でもさぁ
流星:デブリって衛星を切り離す時にもできるんだよね?
れいら: あぁ、そっかぁ… 衝撃をあたえるんだもんねぇ
流星:衝撃を与えないで切り離せないかな?
デリブー:おいら、いいこと知ってるぶー!
れいら: え!なになに!?
デリブー:『形状記憶合金』っていうのがあるブー!
流星:なにそれー!
デリブー:もとの形を覚えてる賢い金属なんだブー
デリブー:金属を曲げても電気を通すと元の形に戻るんだブー!
流星:スゲェ!
流星:じゃあそれをロケットを切り離す部分につかえば…
れいら: 衝撃はいらないね!
デリブー:デブリも出ないブー!
れいら: こういうのが将来使われていくといいね!
・デブリから守る!
れいら: それにしても
れいら: デブリって本当にすごい威力だよね
流星:拳銃の8倍の速さだろ?
流星:当たったらひとたまりもないよ!
れいら: こんなデブリから守ることなんてできるのかなぁ
流星:国際宇宙ステーションはホイップルバンパーを使っているよね
デリブー:そうゆうので他になにかできないかブー…
流星:ぶつかって壊れるなら
流星:デブリがぶつかる前にデブリを壊しちゃえば?
れいら: ナイスアイデア!
デリブー:攻撃は最大の防御だブー!!
れいら: なにかいい方法ある?
流星:実はさ
流星:いいの知ってるんだ
れいら: えー!本当!?
流星:ミサイルをレーダーで感知して
流星:防弾版をとばしてミサイルを先に壊してしまう戦車があるんだ
流星:これデブリの対策に応用できそうじゃない?
デリブー:確かに使えそうだブー!
れいら: でも、これ逆にデブリが増えちゃうんじゃない?
流星:それなら、デブリに凄く柔らかい素材をあてて減速させればいいんじゃない?
流星:もし、デブリが素材を突き破っても、デブリは柔らかい素材につつまれて
流星:そんなに威力がないものになるよ
流星:減速+柔らかさでだいぶ威力がなくなる!こんな感じ
れいら: なるほど!
流星:それと
流星:また戦車でつかわれているシステムなんだけど
流星:二重構造の防御壁の間に、超高電圧の電流を流してミサイルを気化させる方法もあるんだ
れいら: それってISSの防御壁とどう違うの?
流星:ISSの防御壁は、熱の通りやすい金属をつかって、デブリがあたった時に生じる運動エネルギーの熱でデブリもろとも溶かしてしまうんだけど
流星:これは、電圧で気化してしまうんだ
流星:こんな感じ
れいら: なるほど!
デリブー:デブリで応用できそうだブー
流星:あと、またまた軍事系でつかわれているやつで
流星:米軍のプラズマシールドがあるよ
デリブー:それはどんなものなのブー?
流星:広範囲のスタングレネードみたいなのだよ
流星:そのプラズマ波の領域に入った者をひるませるんだ
流星:このプラズマを超高電圧の電磁波とかにできたら
流星:電磁波の域に入ってきたデブリを気化させることができるんじゃないかな
流星:こんな感じで
流星:まだ技術的な面で難しいけどね
デリブー:お…おそろしいブ…
流星:でも実現したら凄いだろ!
れいら: デブリから守るためには
れいら: デブリを観測することも必要だよね
れいら: そうすれば避けることもできるし
流星:うん
れいら: 私考えたんだけど
れいら: 広範囲のレーダーをもつ小さな衛星を、高度ごとに飛ばしたらいいと思う
れいら: そうすれば 今まで観測できなかった小さなデブリも観測できるようになるよ
流星:いいね!
デリブー:たくさん案がでたブ!
・デブリを減らすために
デリブー:次はデブリを減らす対策を調べてみるブー!
流星:実験もすごくいい案だったよね
れいら: うん!
れいら: でも、他のも考えてみようよ!
デリブー:おいら
デリブー:さっきの防御のところででてきた柔らかい素材を当てる対策
デリブー:減らすことでも使えると思うブー
流星:どうして?
デリブー:デブリが減速することでデブリが落下することができると思うブー
れいら: それなら
れいら: ガスとかをデブリに吹き出してデブリを減速させることもできるんじゃない?
デリブー:実はそれ
デリブー:ボーイング社が開発したみたいだブ
デリブー:不活性のガスを噴射して減速させるみたいだブ
デリブー:秒速8kmのデブリを0.2kmまで減速させることが可能みたいだブ!
流星:すごいねぇ
流星:他にも将来、色々な対策が出てくるといいなぁ
れいら: きっと出てくるよ!もしかしたら、私達が開発するかもよ!
デリブー: それはすばらしいブー!!
・まとめ
流星:いままでいろんな対策が出てきたけど
流星:どれも大きな装置が必要だよね
れいら: うん
れいら: ロケットで飛ばすには、ちょっとコストがかかりすぎる気がする
流星:だからなかなか実現しないのかなぁ
デリブー:宇宙エレベーターがもし開発できたら
デリブー:これらの問題が全て開発できるブ!
流星:なんで?
デリブー:宇宙エレベーターが作られたら宇宙に何かを持っていくときにわざわざロケットを打ち上げなくても大丈夫だから
デリブー:コストが凄くカットできるブ!
デリブー:それにもしかしたら
デリブー:動かなくなった衛星を宇宙エレベーターに乗せて
デリブー:逆に宇宙から地上へ運ぶこともできるかもしれないブ
れいら: 修理も簡単にできるようになるから
れいら: そもそも故障する衛星も減るかもね
流星:デブリを減らすためには、まず宇宙エレベーターの開発をすすめるのが近道なのか!
デリブー:宇宙エレベーターの完成は2050年ごろだといわれてるブ
流星:たのしみだなぁ
れいら: もし宇宙エレベーターができたら
れいら: 私達も簡単に宇宙へ行くことができるようになるかもね!
デリブー:それは凄い魅力的だブ!
社会的対策
流星:デブリ低減ガイドラインを見て思ったんだけど…
流星:全然デブリを出した国に対して拘束力や罰則がないんだね
れいら:山崎さんにも聞いてみたけど
れいら:国際連合のCOPUOS(国連宇宙平和利用委員会)の参加国は現在76カ国もあるからなかなか厳しいのは作れないみたい
流星:それなら新しい機関をつくっちゃえば!
れいら:どういうこと?
流星:スペースデブリを増やさないことを前提とした参加条件の機関をつくっちゃえばいいんだよ!
流星:その機関で、デブリを増やした国に対して、拘束力を持つ法律や、罰を与える法律を作っちゃえば
デブリは増えていかないんじゃないかな?
デリブー:でも、厳しいルールを作ると
デリブー:そもそもその機関に入らない国が出るかもしれないブー…
流星:そうだなぁ…
れいら:それなら、「入りたい!」って思える機関にすればいいよ!
れいら:機関に入らないメリットよりも、入るメリットの方を大きくすればいいんだよ!
れいら:例えば、機関に入ったら、宇宙開発の援助をしてくれるとか
れいら:いろいろな国同士で情報を交換できるとか!
流星:でも情報を公開したくない国や、自分たちで十分、宇宙開発費用はまかなえている国は入らないんじゃないかな?
流星:例えば、アメリカとロシアとか…
れいら:そんなこと言ってる場合じゃないよ!
流星:でも…
デリブー:それなら入った国だけででも、すごいデブリ対策を考案すればいいブー!
デリブー:すごいデブリ対策を考えて、みんなに「すごーい!」って言ってもらえれば
デリブー:参加してない国はうらやましがって、機関に参加するかもしれないブ!
れいら:人の心理を利用した作戦だね!
流星:それが案外、一番効果があるかもしれないね!
デリブー:その他の対策として
デリブー:デブリをビジネスにすることもいいと思うブー!
れいら:企業のところで話していたことね!
デリブー:ブー!(うん)
デリブー:お金が儲かると思えば参加する国や企業も増えると思うブー!
流星:それなら大会にしちゃえば!
流星:実はグーグルが "LUNAR XPRIZE"っていうのをやってるんだ!
れいら:何それ?
流星:月面無人探査を競うコンテストで既定の条件をクリアしたチームには最高で2000万ドルの賞金が出るんだっ!
デリブー:すごいブー!
れいら:それをデブリバージョンでやればいいのね!
流星:そう!
流星:優勝したチームは賞金ももらえるし
流星:なによりも知名度があがる
流星:すごいメリットだよ!
デリブー:スペースデブリの知名度もあがるブー!
れいら:宇宙開発をしたいけど、資金不足の国や企業がたくさん参加するかもね!
れいら:いいアイデアだ!
デリブー:そういえば山崎さんが言っていた
デリブー:教育の面も大切だブー
れいら:そうだね
れいら:まずはみんなにスペースデブリを知ってもらわないと!
れいら:宇宙を身近な存在に感じてもらうことが必要ね!
デリブー:自分たちの生活空間を汚しちゃいけないように
デリブー:宇宙も汚しちゃいけないことを当たり前の考えとなるようにすればいいブー!
流星:広い視野で見れば
流星:僕たちも宇宙にすんでる「宇宙人」だもんね!
デリブー:だからこそ
デリブー:おいらたちがスペースデブリについて発信していかなければならないブー!
れいら:私たちが先駆けになろう!
まとめ
れいら:社会的な面でも物理的な面でも
れいら:まだまだ改善できる点はいっぱいあるね
デリブー:とにかく
デリブー:スペースデブリっていうものがあることを
デリブー:皆に知ってもらうことが一番大切だブ
流星:スペースデブリが何かわからなかったら
流星:何も始まらないもんね
れいら:日本はデブリについてかなり率先して取り組んでいるみたいだよ
流星:他の国がやらないなら
流星:日本がやっちゃえばいいんだよ
流星:日本にも他の国に負けないくらいの技術力があるんだし
流星:もし、デブリについて日本が強くなれば
流星:権力も持てるかもね
れいら:こらっ
デリブー:でも実際
デリブー:日本が他の国にデブリについて拘束力を持つようになれば
デリブー:デブリ問題の解決へ一歩近づくブ
デリブー:デブリ問題はこれから絶対に浮かびあがってくる問題だし
デリブー:解決しなきゃいけない問題ブ
デリブー:今からでもすすめれば
デリブー:必ず日本は必要となってくる国になるブ!
れいら:その通りだよデリブー!
流星:これからはデブリの時代だ!