大量死の経過
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広がった範囲 |
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1988年 4月 |
北海の東に位置するデンマークのアンフォールト(アンフォルト)島で不可思議な現象が観測された。 |
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同年 5月 |
カテガット海峡全域で瀕死のアザラシが打ち上げられているのが見られる。 スウェーデンの海岸でも、流れ着いたアザラシの死体が確認されるようになり、1日ごとにその数は増えていった。 |
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同年 6月 |
オランダ、西ドイツやイギリスの海岸でも、アザラシの死が確認された。単なる小さな島の出来事が、原因不明のまま北海全域に広がる勢いを見せ始めていた。 |
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同年 7月
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バルト海からボスニア海沿岸まで範囲が広がる |
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同年 9月
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イギリス沿岸 |
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同年 10月 |
イギリスとアイルランドに挟まれたアイリッシュ海まで広がる |
1988年 4月
北海の東に位置するデンマークのアンフォールト(アンフォルト)島で不可思議な現象が観測された。
アンフォールト島は、スウェーデンとの国境に近く、灯台が1つあるだけの小さな島だが、アザラシの研究者にとっては外部から邪魔されずにアザラシを観測できる貴重な場所である。
夏の繁殖期を前に、島を訪れた研究者(デンマークのアハース大学の学生2人)が、肺炎症状を起こしたアザラシの胎児がころころ動いているのを発見した。苦しげに咳をしながら、目からはやにのようなものが流れ出していた。中では昏睡状態に陥っているものもあり、極度の呼吸困難を起こしているアザラシも発見されている。その時、調査を行ったが原因を解明することはできなかった。やがて、この島の海岸線には、生後1年以上のアザラシが流れはじめた。今から思えば、これらの現象が大量死の発端ということになる。
大量死が収まったのは88年10月末。
それまでにこれらの一帯の沿岸各地で死体で回収されたアザラシは、10カ国で1万7936頭にもなった。大部分はゴマフアザラシだったが、200頭ほどハイイロアザラシも混じっていた。これはこの海域の全アザラシの半数に相当し、局地的には全滅した場所もある。