現在の対策と予防について
現在では、直接的な原因が「
ウイルス」であることが解明されている。すでに一部のアザラシには予防ワクチンの投与も始まっている。しかし、自然界に生息するアザラシにワクチンを投与するにはさまざまな障害がある。まず、1回の投与で確実にジステンパーウイルスに対する抵抗力が、アザラシに生まれなくてはならないのである。犬の場合は、このウイルスを犬の腎臓の細胞などで培養して、ウイルスを弱毒化されたものが使われる。いわゆる「生ワクチン」である。生ワクチンは、抵抗力を高めるには有効なワクチンだが、以下に弱毒化されたとは言えウイルスは生きている。アザラシの抵抗力を高めることができても、アザラシ以外の動物に新たなウイルスの感染が起きる可能性があり、実際の適用には適さないという。現在、アザラシに投与されているのは、ウイルスを殺して作った「非活性化ワクチン」であるが、1度の投与では効果が現れず、4週間後に2度目の投与が必要なのである。