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トレッサーについて
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 ストレッサーは下の図の様に複数が密接に関わっていることがほとんどです。
 特に精神的ストレッサーはそれ一つで作用していることは少なく、他のストレッサーによって発生していることがほとんどです。

<ストレッサーはお互い複雑に関係しあう>

物理化学的ストレッサー
社会的ストレッサー
生物学的ストレッサー
身体的ストレス反応


物理化学的
ストレッサー
社会的
ストレッサー
生物学的
ストレッサー
精神的ストレッサー
精神的ストレス反応
ストレス対処

ストレス発生時、ストレッサーは一つではない

 ストレスを語る上で最もやっかいなことは、あるストレス状態になった時にそれを引き起こしたストレッサーが複数であり、しかもお互いが切っても切り離せない程深く関わっているところにあります。

 例えば、満員電車で胃潰瘍になったA氏がいたとします。
 この時、ストレッサーは満員電車と言えるのですが、決して満員電車が直接作用してA氏が胃潰瘍になったわけではありません。A氏が満員電車に乗ることを「不快」に思い続けたこと、この精神的ストレッサーがあって初めてA氏が胃潰瘍になるのです。
 そうでなければ、満員電車に乗っている人全員が胃潰瘍にならなければつじつまが合いません。
 さらに、A氏が胃潰瘍になってしまうほどひどく満員電車を不快に思う理由(ストレッサー)というものもあるでしょう。A氏は今の会社に不満を持っているのかもしれません。
 そうなると社会的ストレッサーの中に挙げた「職場環境」も関係していることになります。会社への不満がつのっていた時、他のつまらないことにも過敏になってすぐイライラしてしまうことはよくあることです。
 この職場環境というストレッサーのせいで不満という精神的ストレッサーが発生し、さらに満員電車が新たなストレッサーとなってしまったというわけです。
 ストレスが原因で胃潰瘍になったとしても、何が原因なのか見つけ出しにくい理由はここにあるのです。

感情と精神的ストレッサー

 ストレスを認識するのは精神的ストレッサーが働いているからです。精神的ストレッサーは他のストレッサーに付随して発生することがほとんどです。
 人がストレスを感じ取る時、そこには必ず「精神的ストレッサー」が関係しています。ストレッサーが複数あっても、精神的ストレッサーが関与していなければ体が無意識下でストレス反応を起こして対処してしまいます。(これが身体的ストレス反応です)
 しかし、何らかの感情を抱いた時、精神的ストレッサーが働いてストレスを感じさせていたと言えるのです。この時、どのようにストレスを感じ、解釈・意味づけするかによってストレス反応が変わってくるのです。(精神的ストレス反応

 特に心理依存型ストレス反応の時、人はストレス対処を意識的に行います。身体的ストレス反応はそれ自体がストレス対処となっていますが、精神的ストレス反応では概して不快な感情を伴います。その不快な感情を取り除こうとして人はストレス対処を行うのです

 また、精神的ストレッサーはほとんど、別のストレッサーに付随して発生する副産物の様なものです。精神的ストレッサーが単独で人に関与していることはまずありません。精神的ストレッサーが発生する前に他のストレッサー、つまり物理化学的、社会的、生物的ストレッサーのいずれかがあるはずです。つまりこれらは精神的ストレッサーのストレッサー根源ストレッサーというわけです。

 精神的ストレッサーは副産物であるにもかかわらず、ストレスが人類にとって大きな問題に膨れ上がる原因をはらんでいます。人々がストレスに悩むのはまさにこの精神的ストレッサーがあるからですし、付随物なのに精神的ストレッサーの根源ストレッサーを覆い隠してしまって見えづらくしてしまいます。

 根源ストレッサーが見つけづらく、対処しにくい理由はここにあるのです。


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