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発電
力学的エネルギー、熱エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、光エネルギーなどの種々の形態のエネルギーを電気エネルギーに変換すること。電気エネルギーは他のエネルギーヘの変換が容易で効率がよく、またエネルギーの流れを制御しやすく輸送も簡単なため、社会活動からの必要性も高く、大量に利用、消費されている。一方、電気エネルギーそのものは自然界にはほとんど存在しないため、自然界に豊富に存在するエネルギー資源から作り出さなくてはならない。
直接的に電気エネルギーを発生する方法のうち主要なものとしては、1.発電機などによる力学的エネルギーからの変換、2.燃料電池などによる化学エネルギーからの変換、3.光電池などによる光エネルギーからの変換、4.MHD、熱電子放出、熱電変換を利用した熱エネルギーからの変換、の4種類がある。これらは他のエネルギー形態から直接電気エネルギーに変換する方法であるが、実際にはエネルギー資源をいったん他のエネルギー形態に変換し、この変換されたエネルギーを使って発電を行うのが普通である。このようにエネルギーを前処理する理由は、入手したエネルギー資源を、そのまま発電に利用するのは、技術的にも経済的にも適当でないためである。たとえぱ火力発電や原子力発電は、化石燃料の燃焼や核分裂の結果生ずる熱エネルギーを、熱機関により力学的エネルギーに変換し、さらに発電機を回転させることで電気エネルギーを発生させるわけで、実に3段階のエネルギー変換を経過していることになる。また水力や風力のような自然界に存在する力学的エネルギーを利用し発電する際、水車や風車によって回転エネルギーにいったん変換したり、太陽熱を利用して発電する際に高温高圧の水蒸気にいったん変換したりするが、この場合前処理はエネルギーの高密度化や純化という意味をもっている。
発電に利用できる自然界に存在するエネルギー資原には、1.水力、風力、波力、潮汐力などの力学的エネルギー、2.石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料やまきなどの植物体のもつ化学エネルギー、3.太陽からの光線のもつ光エネルギー、4.地熱や海水の浅部と深部の温度差などの熱エネルギー、5.ウラン、プルトニウムや重水素などの核分裂物質や核融合物質のもつ核エネルギーなどがある。潮汐力と地熱を除く1.と2.は太陽光によって熱せられた結果であり、2.は太陽光による植物の炭酸同化作用の結果であり、また3.は太陽光そのものであることを考えれば、よくいわれるように、核エネルギーを除くほとんどのエネルギー資源は太陽に源を発している。
現在、世界各国とも火力発電と水力発電が発電電力量の大部分を占めている。一方、資源や環境の有限性の認識が深まり、資源ナショナリズムが台頭し、化石燃料価格が高騰したため、火力発電にこれ以上頼ることが不可能となりつつあり、また、水力発電も限界に近づきつつあるので、今後も伸ぴ続けると思われる電カ需要を補うため種々の努力が続けられている。このうち技術的なものとしては、従来の発電方式の効率をできるだけ向上こする技術開発、従来ほとんど利用されていない地熱、太陽エネルギー、風力、波力、温度差、濃度差などのエネルギー資源を利用する発電方式の研究開発や、MHD発電、燃料電池などの直接発電によって高効率発電を実現するための研究開発などが真剣に進められている。さらに原子力発電の核燃料を有効に利用するための増殖炉や、太陽のエネルギー発生機構と同じ方法を地上で実現しようとする核融合などの研究も進められている。これらの技術のが実用化され、化石燃料の割合が軽減され、安価な電力が利用できるものと期待されている。
右の絵は、上から地熱発電、太陽熱冷暖房、太陽電池発電、風力発電、波力発電のものである。