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ファクシミリ
写真電(伝)送と模写電送の総称。文字、写真、図形などの画面を碁盤の目のような微小な点(画素)に分解し、これに光を当ててその明暗に応じて電気信号に変換して送信し、受信側では逆の走査の方法で元の画面に復元、記録する。写真などの中間調の両面を伝送するものを写真電送、文字や図面などの白黒を主体とした画面を伝送するのを模写電送という。ファクシミリの原理は、1840年代に発表されたといわれるが、実用に供されたのは光を電気的信号に変換する光電管が発明され1920年代である。当初新聞社の写真電送など特殊な用途に使用されたが、最近では走査方式、記録方式の改良、経済化が進み、一般産業界や、加入電話を利用した電話ファックスなどに広く使われている。
ファクシミリの送信側では、走査、光電変換変調の操作を行い伝送路に送りだす。これを受けた受信側では、復調、記録変換、走査の逆操作を行う。この場合,送信側と受信側の走査の速度を一致させ、画素を同じ位置に対応させることが必要で、これを同期をとるという。走査方法としては、初期には記録紙を円筒に巻きつけて回転させ、光電変換部を軸方向に移動する円筒走査型が使われたが、最近ではオプチカルファイバ−管などを使用した平面走査型のものが多くなっている。記録方式としては、放電破壊、電解記録、静電記録などの電気的方法のほか、感熱記録、写真記録、カーボンなどを利用した圧力方式など種々の方式が考案されている。伝送スピ−ドを速くするためには伝送周波数の帯域を広げればよいが(たとえば、60〜108kHzの帯域を使用すればA4判の図面を30〜40秒で伝送可能)、加入電話回線を利用する場合には、符号化の方法にくふうをこらしたり、情報のない白紙部分をとばして走査するなどの帯域圧縮技術を使用する。