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受像管
テレビジョンの電気信号を画像に変換することを目的とする大型陰極線管(ブラウン管)。1907年ロージングB.Rosingが初めて使用したが、その後アメリカのRCA社がキネスコープという商品名で生産し現在ではきわめて特殊な場合を除けば画像の再現にはすべて受像管が用いられている。白黒受像管の仕組みはカソ―ド(陰極)から出た電子は加速された後、集束電極により細いビームとなり10数kVの陽極電圧でさらに加速され前面のケイ光体に衝突する。ケイ光体はZnS-Ag、ZnS‐CdS‐Ag(Agは活性化用)を混合したものがよく使われ、高速の電子が衝突すると発光する。電子ビームはネックにある偏向コイルによりテレビ信号の走査に同期して曲げられケイ光面全体を走査する。したがって電子ビームの量を画像内容で変化させれば光の強弱となりフェース上に画像を再現できる。
カラー受像管では赤、緑、青の三原色に応じて3個の電子銃があり3本の電子ビームが赤、緑、青のケイ光体を発光させる。シャドーマスク管ではケイ光面は径数百ミクロンの赤、緑、青の小さいケイ光体ドットで塗り分けられており各電子ビームが正しくドットを発光させるためシャドーマスクといわれる関門が設けてある。また赤、緑、青を縦縞に塗り分けたトリニトロン管も使われている。
受像管の偏向角は90度から110度程度まであり偏向角が大きくなるほど受像管の奥行が短くなる利点はあるが大きな偏向用電力を必要とし正しい画像が出にくくなる。また画面を明るくするためケイ光面の背面にごく薄いアルミニウムの層を設けたメタルバッグや、室内光による影響を少なくするためケイ光体ドットの周囲を黒くしたブラックマトリクスなど種々のくふうがなされている。管の大きさは通常18型などと型番でいわれているがこれは画面の対角線の長さをインチで表しその数字をとったもの。