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スライド

透明支持体上に写真、図面、文書などの画像を写真法でつくったもので、通常スライド映写機によって画像をスクリーン上に拡大投影して観察する。スライドは一般観賞のほか講演、教育、宣伝などの資料説明に用いられる。スライドをつくるには一般写真の被写体、図面、文書などの原稿を写真撮影して陽画をつくる。陽画の作成方法は2通りに大別される。すなわち、ネガ用フィルム を用いてネガ像をつくったのち、これをポジ用フィルムに焼き付ける方法と、反転材料を用いて撮影し、反転現像処理によって直ちにポジ像を作る方法とがある。図面や文書のスライドの場合には必ずしもポジ像でなくともさしつかえない場合がある。スライド作成用フィルムは種々のものがあり、被写体の種類および陽画の作成方法に応じて適宜フィルムを使いわける必要がある。一般的には反転フィルム、反転カラーフィルム(リバーサルカラーフィルム)を使って撮影し,反転現像処理を行って陽画をつくる。スライドは通常、画面を1コマずつ切り離して2枚のガラス板、プラスチックあるいは厚紙のマウントにはさんで映写機に装てんする。スライドマウントの大きさは2インチ×2インチ(約5cm×5cm)のものが世界的に広く使われている。

スライド映写機

スライドの画像を拡大投影するための映写機(略してスライドと呼ばれることもある)光学系の配置まずスライドと、その画像をスクリーン上に結ばせる映写レンズとがあり、スライドの全画面を均一に照明するために、光源と、それから放射される光をできるだけ多く映写レンズに送り込むための反射鏡や、コンデンサー(集光)レンズを備えている。光源が明るいため、熱も多く発生するので、照明光から熱線を除く防熱フィルターや、冷たい空気を光瞭やフィルムに吹き付ける冷却ファンが必要となる。簡単な装置では、スライドの交換を1枚ずつ手で行うが、最近はトレーと呼ばれる映写用のスライドケースにあらかじめスライドを映写順に入れておいて、トレーごと映写機に装填し、離れたところからボタン操作で、スライドを交換しながら映写するものが多い。ピント合せもリモートコントロールができるので、説明者はスクリーンの位置で画面を説明しながら自分で映写機を操作できる。オートフォーカス式では、スライドを入れ替えるたびに,ピントがシャープになるように映写レンズの位置を自動的に調節してくれる。さらにテープレコーダーと連動してテープに記録された同期信号でスライドを自動的に交換し、画面に合った説明をすることができるオートスライドや、ストリップフィルムと呼ばれる長巻フィルムを映写できるものもある。