電荷
たとえばガラスを布で摩僚すると軽いものを引き付ける性質が生まれる。これはガラスに電気が生ずるためと考えられるが、このような電気現象の根元となる実態を電荷と呼ぶ。電荷の大きさ、すなわち電気量の意味に用いられることもある。電荷には正負の2種額があり、異種の電荷どうしは引き合い、同種の電荷どうしは反発する。18世紀には電荷の実態は流体の渦動と考えられたが、電気分解の実験、原子論の発展などによって電荷の究極的な担い手は電子その他の荷電素粒子であることが明らかになった。ふつう物質に現れる電荷は電子およぴ原子がいくつかの電子を失った姿であるところのイオンによるものであり、物体が帯電するのは物体の中で電子またはイオンの過不足が起こるからである。誘電体では、分極によって原子の中の電子が移動した結果、その表面に見かけの電荷を表す。電荷の大きさの単位はふつうクーロンが用いられる。また電荷の大きさは電気素量(1.602×10の−19乗クーロン。ふつうeで表す)の整数倍になる。現布発見されている素粒子は0、e、-eのいずれかの電荷をもち、たとえぱ電子は、-e陽子ではeである。これらの正負の符号は相対的なもので、逆に定めてもかまわないが、その場合、電池の極の正負、電流の向きなどをすべて逆転させて考えなければならない。