電磁波

互いに直行した電場と磁場とが振動しながら伝わっていく横波。電波と同義に用いられることもあるが、ふつうは電波とは電磁場のうち波長が0.1mm程度以上の物をさす。海の波や弾性波はすべて物質中に限って進行することができるのに対し、電磁波は真空中でも発生、進行することができる。
電磁場の存在の理論的予言は1864年マクスウェルによってなされた。彼の理論によると、電場と磁場は互いに共存しながら波の進行方向に対して直角の方向に振動しており、またその進行の早さは同じ空間を進む光の早さと一致する。さらにマクスウェルは71年、電磁波と光は同じものであり、電磁波は光と同様な反射、屈折、干渉、回折などの現象を起こすことを予言した。88年Ｈ．ヘルツは火花放電によって電磁波を発生させることに成功し、電磁波の存在を実証するとともに電磁波がマクスウェルの予言通り光と全く同様な性質を持っていることを明らかにした。その後、可視光の他、Ｘ線、γ線などもやはり電磁波の一種であることが知られた。