電子レンジ
マイクロ波を利用した調理用加熱器。1950年にアメリカで開発され、55年レーセオンRaytheon社で初めて商品化され、日本では61年東芝で国産1号機がつくられた。当初は列車のビュッフェなどで利用されていたが、その後食堂、レストランなどから普及し始め、現在では一般家庭にも着実に浸透している。マイクロ波を発生するマグネトロンとその電源、マグネトロンを冷却する装置(主として空冷)、調理物を入れる加熱箱(オーブン)からなり、マイクロ波は導波管によって導かれる。電子レンジに利用されるマイクロ波の周波数は国際的に2450MHz(波長約12cm)が割り当てられている。マイクロ波は、空気、ガラス、陶磁器などは透過し、金属では反射されるが、食品や水などには吸収されやすい性質をもっているので、これを利用して食品を加熱する。従来の熱伝導を利用した調理法法と違って、食品を内部から温めるので、短時間で均一に調理でき、ビタミンなどの残存率も高く、殺菌効果もあるのが特徴である。また容器のままや包装したままで調理できるが、金蔵製の容器や漆塗容器などは使用しないほうがよい。冷凍食品の解凍にも適している。