スポーツと急死事故運動中に突然命を落とすのは大変ショッキングなことです。運動するということはその人の健康を象徴しているわけですから、突然に死んだのでは回りにあたえる影響も大きいわけです。また、このような事件が起きると、盲目的に運動は危険であると議論されることもあります。
- 一見健康そうな人が運動中に死亡するのは大変衝撃的なことです。運動の目的は、健康維持であったり体力増進であったり、、クラブ活動であったり、時にはプロスポーツ選手のように生活の糧であったりもしてさまざまです。
- こういう人たちに起こる急死事故は非常に少なく、一年当たりの頻度に換算して数万人に一人の割合です。以前は運動中n死亡事故といえば、熱中症や脱水などが多かったようですが、最近では急死事故で原因の判明しているもののほとんどが心臓病です。
- 30歳以下の若年者の主な突然死の原因としては、その中の50%以上のものが肥大型心筋症と報告されています。肥大型心筋症とは原因不明の心筋肥大と心機能低下をきたす疾患で、動悸・息切れ・胸痛・めまい・失神などの症状を呈することもありますが、まったく無症状で過ごしていて突然に重篤な不整脈を起こして命を落とす人もいます。
- 肥大型心筋症では安静時よりも活動時のほうが突然死を起こしやすいため、激しい運動は慎まなければなりません。特徴的な心電図所見を呈することから、健康診断などで実施する心電図検査の結果にも注意を払う必要があり、また、遺伝的要因も知られているため、親族に突然死した人がいないかもチェックし、これらのどれかにあてはまるならスポーツをはじめる前に専門的評価を受けておくべきです。
- 30歳を超えると急死事故の原因として圧倒的に多くなるのが冠動脈硬化症、つまり心筋梗塞や狭心症などに代表される虚血性心疾患です。心筋梗塞はもっとも重要な疾患で、発症時に即最善の医療をほどこしてもなお一割近くの人が死亡するという統計があります。
- 激しい突然の胸痛で発症し、それが長く続くのが典型的な症状です。冷や汗や脂汗をかいて動けなくなるという人もいます。心筋梗塞を起こす人は狭心症を経験していることが多いのですが、何の前触れもなく突然発症することもあります。
しかし基本的に、これらは動脈硬化を基礎に起きてくる疾患であり、中高年の人たちが運動を始める場合はこういった疾患の有無を事前にチェックすることが大切です。
- また、このような器質的病変の有無に加えて、ストレスなどの精神衛生や過労などの管理も重要なことです。競争心や責任感が強くて短気な性格をA型気質といいますが、このような人は狭心症などの冠動脈硬化症のリスクが高いともいわれます。
- ストレスは自律神経のバランスを崩し、急な血圧の上昇を招いて心筋梗塞発症の原因をつくることから、肉体的・精神的疲労が蓄積した状態での無理な運動は危険です。
そして、普段の活動度の低い人がいきなり強い運動を開始することも注意が必要です。もしリスクがあると判断された時は循環器専門医に相談して、運動の可否とその種類・程度を評価してもらいます。
病気を持っている人も、そうでない人も、スポーツと上手につきあうことで質の高いライフスタイルを実現することは可能なのです。
ここに気をつけよう、スポーツの落とし穴へ
