外傷と障害
- 人間の体には筋肉・骨・軟骨・靭帯などの運動器が実に巧妙に作られており、大脳から脊髄、さらに末梢神経を通じて送られてくる信号に合わせて筋肉が収縮し、手足を動かしたり、体幹を曲げたりする動作が自由にできる仕組みになっています。これらの運動器の機能を向上させて維持していくためにはスポーツの実践は不可欠です。
- しかしスポーツには、疲労や運動のやりすぎ、さらに思わぬハプニングなどによる怪我がつきもです。怪我には外傷と障害とがありますが、スポーツ中1回の無理な動作で生じたものを外傷と呼び、慢性的に具合が悪い部分が出るような故障を障害と呼んで区別しています。
外傷には、打撲・肉離れ・靭帯損傷・脱臼、そして骨折などがあります。そのうち、不適切な治療で慢性化して、スポーツ障害の原因となりやすいものに肉離れがあります。中高年のスポーツで、肉離れの起きる時にはいくつかの共通した状況が見られます。第一にはストレッチングなどによる筋肉のウオーミングアップ不足で、第二は筋肉の疲労、そして第三は前に一度痛めた部位の再発です。
- 出血している傷口は、まず手元のペットボトルの飲み水か、近くに水道水があればそれで傷をよく洗浄して、清潔なもので圧迫することです。大事なことは、たとえタオルやハンカチに血がにじみでてきても、それを新しいものと交換しなで、どんどん上に重ねていくことです。新しいものに交換すると、せっかく塞がりかかった傷口から再び出血をまねきかねません。
- スポーツに限らず、急性期の外傷の処置にはライスの原則があります。ライス(RICE)とはつまり,Rest(休む),Icing(冷やす),Compression(圧迫する), Elevation(吊り上げる)のことです。
- このライス法にもいくつか注意点があります。
- アイシングの方法は、冷凍庫で凍らせたアイス・ジェル(アイスノンなど)や、砕いた氷片のビニール袋詰め(アイスパック)などです。しかし、急場ではぬれたタオルが実用的です。また布に塗った貼付剤(湿布剤)も実用的ですが、冷却効果は氷ほど長く続きません。
- つぎに、圧迫法ですが、とくに四肢の場合には圧迫包帯を強く巻いてはいけません。手足がむくんでしまうからです。
- そして挙上法は、上肢では三角巾による挙上、下肢の場合は、なるべく横になる時間を増して、可能なかぎり座布団を2〜3枚重ね、その上に足を上げて挙上位をとることです。挙上を続けると血液や体液が心臓に戻りやすくなり、浮腫がひいて治癒するまでの時間が短縮します。
- 安静、冷却、圧迫も同じ意味を持つわけです。
これに気をつけよう、スポーツの落とし穴へ
