■心臓内の血流
全身を回り、上・下大静脈を通って心臓に戻ってきた静脈血は右心房に流れ込み(上半身からのものは上大静脈、下半身からのものは下大静脈)、ここから有心室に入ります。右心室から拍出された静脈血は肺動脈を通って肺にいき、二酸化炭素を放出し、酸素を受けとり、きれいな動脈血になって、肺静脈を通って再び心臓に戻り、左心房に 入ります。ここからさらに左心室に入り、拍出されて大動脈から全身に送られます。こうして、血液は常に左心室→大動脈→全身の動脈→全身の毛細血管→全身の静脈→大 静脈→右心室→肺動脈→肺毛細血管→肺静脈→九心房→左心室と循環していることになります。
なお、心臓に出入りしている血管とは別に、心臓の筋肉自身に栄養を補給する血管があります。これを冠状動脈といい、大動脈が始まる部分から左右に分枝して、下向し ながら心臓を取り巻き、さらに枝分かれし、毛細血管となり、心臓壁に分布し酸素や栄養を与えています。ついで、血液は冠静脈に移り、右心房に返ります。冠動脈がつま ったり、血流が悪くなったのが心筋梗塞や狭心症です。
■血圧
血圧は血管内を流れる血液の流圧を意味していますが、その圧力は血管の部位によって異なります。すなわち、血圧は心臓から押し出される圧力と、血管内を流れる血液の量およぴ血管の抵抗によって決められます。ふつう血圧というときは動脈の内圧をいい、一般には上腕の動脈などで測ります。この測定値から心臓が血液を送り出す強さと、動脈壁のかたさを知ることができます。動脈壁がかたくなると血液の流れが強くなり、心臓に負担がかけられることになります。
血圧は心臓が収縮して血液が左心室から大動脈に押し出された時の圧力(最高血圧)と心臓の拡張期に動脈の弾性のみによって維持される血圧(最低血圧)とを測ります。