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[歯]
 鳥類を除く、ほとんどの脊椎動物の口腔内にある骨のように硬い器官です。食物の摂取・咀嚼(そしゃく)・攻撃・防御に重要な役割を果たします。また、人間の場合には、言語の発声器官にも関与しています。
 象牙質からなり、表面は硬いエナメル質に覆われています。人間は、小児期に乳歯から永久歯に生え変わります。

[胚(はい)]
 受精した卵が成長する初期の段階の個体を、「胚」といいます。子を生む動物では、「胎児」とよぶこともあります。

[バイオテクノロジー]
 生物が持つ性質を、工業・農業・医療などに利用する技術です。生物を利用した酒・みそ作りなどが有名ですが、最近では、細胞や組織を大量に増やす技術や、遺伝子組み換え技術が行われています。

[バクテリア]
 ->細菌



[光の三原色]
 赤・緑・青の3色の光を混ぜ合わせていくと、ほとんどの色の光をつくることができます。この3色を「光の三原色」といいます。赤・緑・青の3色の光を全て混ぜ合わせると、白色光になります。

[比重]
 物質の質量を、同じ体積の水の質量と比べた値です。水の比重は1です。比重が1より大きい物質は、水中に沈み、比重が1より小さい物質は水に浮きます。

[微生物(びせいぶつ)]
 大きさが0.1mm以下の生物を「微生物」と呼びます。細菌や単細胞の藻類、原生動物が代表的な例ですが、はっきりとした区別はないそうです。微生物の中には、病原体となったり、食物などの加工・生産などに利用されたりするものもあり、私たち人間生活に影響を及ぼすものが多いです。

[比熱]
 物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量のことです。比熱の大きな物質は、温めるのに多くの熱量が必要なため、なかなか熱くなりません。また、冷やすときにもたくさんの熱量を出す必要があるため、なかなか冷えません。つまり、比熱の大きな物質は、熱しにくくものの、冷めにくいといえます。逆に、比熱の小さな物質は、熱しやすく冷めやすいといえます。



[ブドウ糖]
 でんぷんやショ糖などの成分で、水に溶けやすく、甘味があります。光合成でつくられたブドウ糖は、果実の中などに多く含まれています。ヒトでは、血液・リンパ液中に一定量あり、エネルギーのもととなり、呼吸に使われています。
 ブドウ糖液にフェーリング液を入れて熱すると、赤褐色になります。

[フェーリング液]
 フェーリング液にアルデヒドを加えて熱すると、Cu2+が還元されて酸化銅Cu2Oの赤色沈殿を生成します。フェーリング液は還元性の有無を調べるために用いられます。
 フェーリング液:硫酸銅水溶液(A液)と酒石酸ナトリウムカリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液(B液)を使用直前に等量ずつ混合して使用します。

[腐敗(ふはい)]
 有機物が微生物の働きで分解されていくとき、分解物が人の生活に有害な場合を特に「腐敗する」といいます。たんぱく質が腐敗すると、独特のにおいがします。

[プラスチック]
 石油や石炭を原料とし、化学反応によって作った物質です。熱によって固さが変化するほか、軽くて丈夫な性質があります。瓶やタンクなどさまざまな製品に使われていますが、自然に分解されないため、プラスチックのごみ処理が問題となっています。そのため、自然に分解される「生分解性プラスチック」などが開発されています。

[プランクトン]
 水中を漂いながら生活している生物が「プランクトン」です。ミジンコ、ワムシなど、えさを食べて生きている動物性プランクトンと、ケイソウ、クロレラなど、光合成をして生きている植物性プランクトンがあります。また、エビやカニ・貝・ヒトデなどの幼生や、多くの魚の稚魚、クラゲのように大きな生物もプランクトンの仲間に含まれているそうです。

[分子]
 いくつかの原子が結合してひとかたまりになったものです。分子には、酸素や水素のように同じ原子が2個結合した簡単な構造のものから、ポリエチレンのように、数千〜数万個の原子が結合した高分子と呼ばれるものまで非常に多くの種類があります。



[ペニシリン]
 1929年、フレミング氏が、アオカビの培養液から発見した抗生物質です。ペニシリンは、肺炎菌や化膿菌などに対して効き目があるため、医薬品として用いられます。しかし、アレルギー体質の人の中には、ペニシリンを注射することによってショック症状を起こす場合もあります。最近では、半合成ペニシリンを用いることによって、ショックが少なくなったそうです。

[ヘパリン]
 血液の凝固を阻止する作用のある物質です。肝臓・肺などの毛細血管の血管壁に近い細胞に存在して、絶えず血液の中に流れ込んで、血管内で、血液が凝固しないように働いています。血栓症などの治療にも用いられています。



[放射性同位元素]
 原子核が不安定なために、放射線を出して別の元素に変わってしまう元素です。ウランのように自然界に存在しているものと、原子炉などで人工的に作られるものがあります。

[放射線]
 放射性同位元素から放出されるα(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、中性子線、X(エックス)線などのことです。生物の細胞を破壊して癌(がん)を発生させたり、生物の遺伝子に作用して突然変異を起こさせることがあるため、取り扱いには十分注意が必要です。

[飽和(ほうわ)]
 ある量の水に、物質を少しずつ溶かしていくと、始めはすぐに溶けるけれども、だんだん溶けにくくなり、最後には溶けなくなってしまいます。このとき、「飽和に達した」とか、「飽和溶液になった」といいます。このように、変化していた量が一定の値に近づき、それ以上溶けなくなった状態を「飽和」といいます。

[捕色(ほしょく)]
 混ぜ合わせると白色光に見える2色の光を「捕色」といいます。例えば、青色と黄色の光、赤色と緑色の光などが補色の関係にあります。
 また、絵の具などを混ぜ合わせたとき、ほとんど黒になる2色の組み合わせも、補色の関係にあるといいます。

[ほ乳類]
 ほ乳類は、脊椎動物の1つです。体が毛で覆われていて、肺で呼吸し、周りの温度に関係なく体温がほぼ一定であるなどの特徴があります。ほ乳類の動物では、卵ではなく、子供が産まれ、母乳を飲んで育ちます。しかし、カモノハシの仲間には、卵で生まれ、母乳で育つものもいるそうです。

[ホルモン]
 動物の体の中で作られる化学物質で、血液で運ばれ、わずかな量で体内の器官の働きを調節しています。ホルモンは、数十種類が知られています。
 ホルモンの量のバランスが崩れると、体の具合が悪くなることもあります。最近、身の回りの化学物質の中でも、「環境ホルモン」と呼ばれる物質が、生物に悪影響を与えているのではないかといわれており、さまざまな議論・研究・調査がなされています。
 また、植物にも植物ホルモンが存在することが知られています。