原子核の中には中性子と陽子がありますが陽子は+の電荷を持っているためお互いに反発しています。また、中性子と陽子は電気的には引っ張り合うことがないので質量が電子の200から300倍で中性子と陽子の間を移動している中間子によってお互いに結びつけられて原子核となっています。この力を核力といいますが中性子の数が陽子の数よりも多くなりすぎると中間子がうまくお互いの間を移動できなくなり原子核は結びつきが弱くなり不安定な状態になってしまいます。不安定になった原子核は壊れてより安定な核になり、結合に必要なくなった余分なエネルギーを核の外に放出します。これが放射線です。中性子の数は原子番号83番以上で急に増加するため83番以上の原子はすべて不安定で放射線を出す放射性元素です。また、原子は質量数50前後の時に最も結びつきが強くなるため、質量数の大きいものは
核分裂によって原子番号の小さい原子に、小さいものは核融合によって原子番号の大きい原子になりそれぞれエネルギーを放出します。
不安定な原子核が崩壊して放射線を出す性質を放射能といいます。放射能とは放射線を出す能力があるという意味で、放射性元素は放射能があるということができます。