放射線について

  1. 放射線・その特徴
  2. 放射線の種類

放射線とは何かとその特徴

        
  1. 放射線とは     
  2. 放射線の特徴

放射線とは
 原子核の中には中性子と陽子がありますが陽子は+の電荷を持っているためお互いに反発しています。また、中性子と陽子は電気的には引っ張り合うことがないので質量が電子の200から300倍で中性子と陽子の間を移動している中間子によってお互いに結びつけられて原子核となっています。この力を核力といいますが中性子の数が陽子の数よりも多くなりすぎると中間子がうまくお互いの間を移動できなくなり原子核は結びつきが弱くなり不安定な状態になってしまいます。不安定になった原子核は壊れてより安定な核になり、結合に必要なくなった余分なエネルギーを核の外に放出します。これが放射線です。中性子の数は原子番号83番以上で急に増加するため83番以上の原子はすべて不安定で放射線を出す放射性元素です。また、原子は質量数50前後の時に最も結びつきが強くなるため、質量数の大きいものは核分裂によって原子番号の小さい原子に、小さいものは核融合によって原子番号の大きい原子になりそれぞれエネルギーを放出します。
 不安定な原子核が崩壊して放射線を出す性質を放射能といいます。放射能とは放射線を出す能力があるという意味で、放射性元素は放射能があるということができます。

放射線の特徴
 放射線は原子に衝突すると、原子の軌道をまわっている電子が結合エネルギー以上の大きなエネルギーを放射線から吸収して、原子核の引っ張る力が届かない範囲まで飛び出していきます。こうして、原子は電子を1個失って電気的に中性ではなくなってしまいます。大きなエネルギーを吸収すると原子から離れた電子は自由電子となり、運動エネルギ−をもって運動している状態になります。周囲の原子がイオン化することを電離といい、放射線には電離をさせる性質である電離作用があります。
蛍光物質に放射線が当たるとそこから光を出す働きがあります。これは蛍光灯にも利用されています。
レントゲン写真や空港でのボディーチェックに利用されるこの作用を透過作用といいます。


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