2-4.メディアとは
コミュニケーションは情報の伝達や通信である。では、その情報の容れ物であるメディアとはどういうものかを考えていきたい。
情報は抽象的なものであり、目に見えず、形のないものだから、それを伝えたり表現するには、何らかの形あるものにしなければならない。それ形態は文字や音、記号や図形といったものである。 人類がキーキー鳴き声を発していた発声から数十種類の発音を開発した数十万年以前にさかのぼるのはさておき。比較的現在に近い時代といっても数千年前にこれらの記号が作られた。情報を伝えたり、表現したりするには記号が必要なのだが、記号だけでは何もできないものであり、その記号を固定するものが必要になってくる。そしてその固定するものは、必ず何らかの材料が必要である。この材料をメディア(媒体)といっている。また情報を伝えることをキャリアーといっている。
媒体:media
メディアには様々な違った解釈があるが、コミュニケーションをなかだちする手段という意味での媒体は、光、音波、電波など、記号(文字、図形、コード)をのせて伝達の役割を果たすもの全てが含まれる。機械技術の発達に伴って大量の人びとにコミュニケーション内容を伝達する手段が発明され、いわゆるマスコミュニケーションが出現すると、媒体という言葉は主として新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどのマス・メディアを意味するようになった。一般にマス・メディアは、コミュニケーションの送り手と受け手の関係を間接化し、両者の間の活発な交流を制限して、送り手から受け手に向かっての一方向的コミュニケーションをつくり出す。
メディアという言葉をハッキリと定義することは難しい。たとえば、音を形作る空気はメディアであると同時に、情報を伝えるキャリアーでもあり、どこまでをメディアというのか、考えてしまう。電波に乗せれば電波がキャリアーになり、音がメディアだといえるが、その電波もメディアである。また、電波にのせられた番組もメディアだということになり、あえてこれといった定義をすることはさけるべきである。
現在では 文字・図形・コード を記号とし、紙・電気・磁気を媒体(メディア)とする。電気、磁気は現象で、材料ではないという向きには、前者をソフト、後者をハードということにする。文字は楔形文字や象形文字、表意文字や表音文字そして材料も粘土板からパピルス、紙へさらに磁気テープから光ディスクへと、その歴史は多くの書に語られている。