4-1.二十一世紀のメディア

マルチメディアとは何か??

今では、マルチメディアという言葉はすっかり社会に定着し、誰もが耳にしたことがあると思う。パソコンや電子辞書、CD-ROMにインターネットとありとあらゆるものにマルチメディアの称号は与えられているが、実際の定義というものは何であろうか。

それは、「文字、音楽、画像、動画などを統一的に扱うメディア・テクノロジー」 

つまり、「マルチ=複数の、多くの」を意味することからも「複数のメディアの共存」というもの以外ではない。例えば、インターネットでは電話回線を通じて文字、画像、音声など複数のメディアを同時にやり取りできる。テレビや映画もマルチメディアということになるが、やはりマルチメディアの心臓とでもいえるものは「デジタルな融合」である。その世界では文字や音声や画像、動画も全て0と1のデジタル(数値)情報に還元されてしまうのである。今までの章で解説してきたものは音にしろ、写真にしろ全て物理量の連続的な変化を類比的(アナロジカル)に、そのままの形で写し取るといったものだった。マルチメディアはそこを、強引に数値に変換してしまうのだ。そして、全てのものを一旦デジタルな数値の集まりにしてしまえば、あとはコンピューターで自由自在に計算し、加工できるということなのだ。人の感覚に訴えるのはもちろんアナログな音や画像だから、もとに戻す変換(D/A変換 デジタル/アナログ変換)も必要である。一見、こういったデジタル信号とアナログ信号の相互変換を何度となく行ううちに、元イメージから情報がどんどんかけ離れていってしまうと思うかも知れないが、「サンプリング定理」というものがあり、一定の精度は保証されている。