4-2.マルチメディアとデジタル

では、デジタル/アナログ変換についてもう少し詳しく見てみよう。

デジタル/アナログ変換でのキーは「標本化、量子化、符号化」問いうステップを踏むことだ。つまり、アナログ波を座標上に置き、それを細切れにする。そして、その細切れにした一点での波の大きさを数値として算出するのがその原理である。その原理については、他の専門書に譲ることにするが、こういった数字だけのデジタル技術がカギを握るマルチメディアはなぜ「感性情報処理」、つまり理性よりも感性に訴えるテクノロジーといわれるのか。もともと、コンピューターといったものは複雑な計算や、プログラムとった、およそ感性とはかけ離れた、いわば理性的な存在であった。しかし、パソコンが大衆化し、今ではパソコンでテレビを見ることやインターネットで様々な情報を集めることができる時代になった。そこで、映像や音楽といったメディアが、デジタル技術で融合し、より我々がもっている「感覚」にコンピューターは訴えるようになる。例えば、バーチャルリアリティは、まぎれもなく人間が得ることのできなかったものを、疑似感覚として捕らえているものだ。本来、どんなメディア(媒体)も、人の感覚器間の物理的制約を乗り越えるためにあるのだ。