Sorry, This document is written in Nipponese.

第3章 昼寝の重要性

§なぜ昼に意識は落ち込むのか

人が眠っているか目覚めているかは、ホメオスタシス性睡眠衝動と時刻依存性覚醒作用という2つの反作用のどちらがどれだけ強いかで決まります。これが毎日の睡眠と覚醒のサイクルを生み出しているのです。昼間眠ろうとする衝動は体内時計の起きていようとする作用で帳消しになるので、目を覚ましていられます。ところが睡眠が不足すると睡眠衝動が時刻依存性覚醒作用を抑えて、昼間でも眠くなります。例えば、午後の1時から3時頃のように決まった時間になると、時刻依存性覚醒作用の勢いが減ります。特に夜の間十分に眠っていないと強くなった睡眠衝動にあっさり身を任せてしまうことになりかねません。意識が落ち込む時間帯は、主に前日眠った時刻と起きた時刻のちょうど中間の12時間後と言われています。この時間帯に昼寝をしてしまうことがよくあるでしょう。

§よい昼寝と悪い昼寝

昼寝をする人でよくあるのは、2時間以上にわたる長い昼寝をしてしまい、夜眠れなくなり、結果的に睡眠時間が大きく減少し次の日寝不足でまた昼寝をしてしまうというパターンです。こういう悪循環に1度陥ってしまうとなかなか抜け出せません。だからといって昼寝をしなければいいかというとそうでもありません。ある条件を満たせば昼寝は立派な休息手段となるのです。まず、毎日同じ時刻に決まった時間の昼寝をすることです。不規則に昼寝をしていると、起きてからスッキリしないばかりでなく、夜の眠りを台無しにしてしまうことがあります。時間的には眠りが深くなりすぎない15分から30分位が適当でしょう。寝る時間帯は意識が落ち込みやすい午後1時から3時頃がよいでしょう。最近では昼寝を午後の仮眠として取り入れている企業も数多く存在します。昼寝をすると集中力や作業意欲が向上し、仕事の能率も上がったそうです。個人的には、学校でもこのシステムを取り入れたほうがいいと思っています。

§夜型人間の更生法

昼寝やうたた寝の時間が極端に長くなってしまい、夜はずっと起きているという夜型人間が最近増えています。これも悪循環の一つで、1度習慣化してしまうとなかなか戻れなくなってしまいます。こういった症状の治療法をいくつかあげましょう。一つは朝になって目覚めたときに、太陽の光を浴びることによってメラトニン(睡眠を誘発する物質)の分泌を抑制し、体内時計を正常なリズムに戻します。この方法は時差ぼけの防止にも使われます。もう一つは時間調節療法(クロノセラピー)というもので、人における本来の1日のリズムが24時間よりも25時間に近いことを利用して、その1日のリズムを26時間あるいは27時間にすし、つまり就寝時間と起床時間を毎日2から3時間づつ遅らせ、望ましい時間帯に睡眠─覚醒リズムが来たときにそれを固定するという方法です。

[トップへ戻る]
Copyright©1999-2000 Yutaka Sato / Atsuto Kubo, All rights reserved.
LAST MODIFIED: 2000.1.20