睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つの異なった状態があります。人間は眠りに落ちるとこの2つの状態を約90分周期で繰り返します。最初に出現するのはノンレム睡眠です。この眠りには4つの段階があり、段階が進むほど眠りが深くなります。段階3や4の深い睡眠では次のような働きが行われています。
このようにノンレム睡眠は日中の活動に備えて体力をたくわえるのに絶対に欠かせないものです。
ある程度深い眠りが続くと再び浅い眠りに戻っていき、レム睡眠が出現します。レム睡眠では脳に流れる血液の量が多くなって脈拍や血圧や呼吸数が上がり、体温が上昇して眼球運動が活発になります。レム睡眠の重要な役割は記憶を保管および保持し、それを編成しさらに必要に応じて編成し直すことです。また、それに伴い新たな学習や行動を促すことです。レム睡眠の力がなければ私たちの脳は正常な働きが出来なくなってしまいます。
睡眠の質とは何でしょうか? 簡単に言えば熟睡が質のよい眠りなのです。次の2つの条件を満たした睡眠を一般に熟睡と呼びます。
睡眠の質と量を兼ね備えるのは難しく、大抵はどちらかだけに偏った睡眠になってしまいます。睡眠が不足すると眠りが深くなり、逆に必要以上に眠ろうとすると眠りが浅くなってしまいます。第2章で述べたように不足気味の睡眠を質の高さで補うことが出来ます。つまり、睡眠の量と質は反比例の関係にあるのです。ですから、無理に長く眠ろうとするよりも眠りの質を高めることに気を遣ったほうがよいでしょう。ここで、眠りの質を高める簡単な方法を紹介しておきます。