茶の湯道具





釜−写真

 釜は点茶の根元であり、茶会の時は一座の主人ともいうべくものである。
総じて鉄であるが、稀には金、銀などもある。

 往古は四季の別なく風炉で点茶した。炉を切り始めたのも中世よりのこと
である。故に炉の季節に風炉を用いるのはよいが、風炉の季節に炉は用いない。
風炉の季節は、およそ5月初めより10月末までである。

 炉とは囲炉裏の略語で寸法の一定したのは紹鴎時代だ。すなわち、1尺4寸
(42.4cm)四方だ。また火を入れるところを巣櫃という。巣櫃は塗壁を正式とし、
陶器、鉄、銅、石などがある。

茶入

 濃茶を入れて用いるのを茶入という。茶入の蓋は昔はしかの角だったが、のち
象牙となった。稀に木地もある。蓋に巣のあるのを巣蓋といって巣のないほうへ
茶杓をのせる。

茶器−写真
 

 茶器とは薄茶に用いるもので、塗物、木地、一閑張、陶磁器などがある。

茶杓−写真

 茶杓には象牙、竹、塗物、木地などがある。普通は畳目13目半ぐらいだ。
利休以前は象牙、または竹の無節を用い、利休以後節のあるものを用いる。

茶筅−写真

 茶筅には煤竹、白竹、紫竹などがあるが、表流では煤竹が常規である。
穂は荒簿、数穂とある。

袱紗−写真

 袱紗は紹鴎の頃までは綾を用い、寸法も区々だったが利休の妻、宗恩の
作意で紫の羽二重を用いるようになった。今は塩瀬も用いる。色は男子は
紫、夫人は緋、老人は茶と定まった。真の点前以上には蜀巴を用いる。

柄杓と杓立−写真

 柄杓には炉、風炉の二様がある。炉用は合が大きく、切止の皮目の方を削ぎ、
風炉用は合が小さく、切止の身の方を削ぐ。柄杓の柄にも貫通し、月形の二様
がある。貫通しは真の柄杓だ。炉には伏せて釜にかけ、風炉には仰向けて釜に
かける。

杓立は長板や台子に飾る。柄杓を手前へ、火箸は柄杓の柄を挟んで向こうへ
もたせてさす。杓立のある時は柄杓は蓋置へ引かず、いつもまっすぐに杓立へ
さす。

建水−写真

 建水は翻ともいう。建水は座を立って水屋へ入る時は、必ず持ち入る。





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