
天分六年(一五三七年)尾張の国(今の愛知県)のある農家に 一人の子供が生まれた。彼の名は、日吉丸といい、父・弥右 衛門と母・なかの間に生まれた二番目の子供だった。彼の家は 決して裕福とは言いがたかったが、彼は生まれつき明るく、 しかも、どこか人をひきつける魅力を備えていた。七歳の頃 父親を亡くし、母親が再婚をした。小さな頃から暴れん坊 だった日吉丸は八歳の頃お寺に入れられることとなる。しかし、 十五歳の頃武士の家来になるのを夢見てそのお寺を出る。 この話はここから始まります。しかしこの時、一体誰が農家の出の 日吉丸が天下を取り得ると予想できたであろうか。