「だまれっ、貴様のような素性のいやしい猿が、何をほざくか!」
信長が血相を変えてわめき、刀の柄に手をかけた。藤吉郎、おったまげて
飛び退り、
「その身なりでござる!並みの人間では、そのような身なりは出来ませぬ!」
と、あわてかげんに言い返した。尚も言葉をついで、
「世間では、織田の殿様は多うつけと、噂しておりまするっ。わしが思うには・・・」
「おのれ、無礼者!」
みなまで言わさず、信長が刀を抜き、今にも斬りかかろうとした。
藤吉郎が手のひらを突き出し、
「わ、わかった。斬られます。斬られて死ぬから、最後まで聞いてくれ!」
「よし、聞いてやろう、何なりとぬかしてみよ。」