かくして藤吉郎、彦右衛門正勝の率いる野武士たちと一緒に、木曽川の上流へと向かう。 瑞竜寺山にとりつき、雨天の中でせっせと木を切り出し始めた。
「よいか。山の中で材木を切りそろえ、かわべりでいかだに組むのじゃ。」
「へい、がってんだ!」
「墨俣までいかだを流したら、すばやく城を築くのじゃ。兵も柵も組み立てさえすればあっという間に完成するようにしておけ。」
 今でいうプレハブ工法を、藤吉郎は試みようとしているわけだった。 働いて、働いて、やがて五日目の夜半となる。
「よしよし、もう十分じゃ。」
藤吉郎、かわべりを埋め尽くすほどのいかだを満足そうに見やり、ついで、声いっぱいに号令する。
「ものども、いかだを流せ!」
「おーう!」



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